能登地震で全壊した実家「みんなで再建」 素人でも建てられる新サービスを被災地で実践
ヴィルド代表の若手建築家、秋吉浩気さん(35)は「デジタルテクノロジーと全国の加工ネットワークを活用してキット化された住宅を、自分たちで建てることで、職人不足などさまざまな社会課題の解決への糸口になりたい」と話す。
自分たちで建てるとはいえ、素人では難しい建築確認を受けるための構造計算など設計や監理は同社が担当し、台所や風呂場などの水回りの工事や電気工事は専門の業者に依頼する。現場の施工管理も地元の工務店などに依頼することになる。
また、2階建てだと重機を使わなければ建てられないため、現在は平屋に限っているという。
■ボランティアと「共助」
それでも、従来は建て売りか工務店に依頼する注文住宅しかなかった「家を建てる」という営みに、自助で建てる「セルフビルド」から共助で建てる「コビルド」まで、また災害時だけでなく平時の家づくりに、さまざまな選択肢が加わることになる。
沼田家の建築作業を支えるのは、沼田さんの親族一同のほか、インターネットで全国に呼びかけたボランティアだ。
沼田さんは「ボランティアの方々は、一度やると楽しくてまたやりたいと言ってくれる。実家の再建がモデルとなって、少しでも災害からの復興に役立てるような発信をしたい」と話す。
沼田家の再建は来週、外壁周りに加えて天井や床の仕上げに進むといい、12月末の完成まで、ボランティアを募集している。