子どもが「インフルエンサーになりたい」と言い出した…その時、賢い親が返す"人生にかかわる質問フレーズ"
■日本への期待は薄れ、日本人はどんどん自信を失っていった その理由を語るために、ここで少し私の来歴を説明させてください。 私が大学を卒業し、日本テレビに入社したのは平成が始まった1989年です。当時はバブル経済ですから、現在の若い世代が想像できないほど日本は元気でした。海外の空港やNYのタイムズスクエアでは日本企業の大きな広告がずらっと並んで目立ちましたから、日本が世界中から期待されていると実感できた時代です。 2000年にソニーへ転職し、2003年にLINEの前身となったハンゲームジャパンへ移籍した頃から、空港の広告は韓国企業や中国企業が増えていきます。反対に日本企業の広告が減っていく様子は、日本への期待が小さくなったみたいで、日本人はどんどん自信を失っていくように思えました。 C Channelを創業したのは「日本が元気になるような事業をやりたい」という思いから、女性向けに明るい話題を発信する新しいメディアをつくろうと考えたからです。 ■女性向けメディアを立ち上げた理由 私が社会人になった頃は、短大卒の女性社員が職場の全員にお茶を淹れる慣習があるような社会環境でしたが、現在よりも女性が元気で強かった印象があります。あの頃より女性活躍は進んだはずなのに、むしろ最近の日本は「女性がどんどん保守的になっていないか?」と思うことがあります。社会にまだまだ不公平や理不尽が残っていますから、苦労して働くより、家庭に入ったほうが結局は幸せだと思えるのかもしれません。 女性が保守的だと、たとえば夫の起業やお子さんがチャレンジングな夢をもつことに反対するようなことはないか、日本全体の保守傾向が強まるのではないかといった心配もあります。 LINEの社長だった頃、韓国や中国では女性のほうが仕事ができると感じていました。社長もマネジャーも女性のほうが多かったのです。日本も女性が元気になれば、日本全体が元気になるのではないかと考えました。 また、メディアがネガティブな情報をやたらと発信するのもよくないと感じていました。ポジティブな情報をもっと発信すれば、若い人たちは自信がもてるし、海外からの期待も高まる。C Channelをスタートした頃は、メディア産業を変えていくことがビジョンの1つでした。 ところが、SNSが発展するにつれて、若い世代は新聞、テレビなどのメディアから影響をほとんど受けなくなりました。一方で、インフルエンサーのような個人が発信する情報の影響力が大きくなり、少なくとも販売促進などマーケティングの世界では、メディアよりも個人の影響力が強くなっている。こうした状況に気づいて、インフルエンサーマーケティングに取り組むようになったのです。 最近は、どうすれば個人が自信をもって情報を発信できるか、世界にインパクトを与えられる状態になるか、といつも考えています。