現役時代の萩原さん（奥）。シドニー五輪後に浴びせられた心ない言葉を紹介した。(C)Getty Images

　各競技が本格的にスタートしたパリ五輪。現地からのライブ中継にワクワクし、日本人アスリートたちの奮闘に熱視線を注ぐ日々が始まった。 【画像】史上初めて競技場外で行なわれたパリ五輪開会式の名場面を厳選ショットでお届け！ 　そんななか、早くも選手たちに対するSNSでの誹謗中傷が問題となっている。これに警鐘を鳴らしたのが、2000年シドニー五輪で女子競泳代表として活躍した萩原智子さんだ。７月28日に自身のＸを更新し、「パリオリンピックが始まり、私のSNSにも心無い言葉が届いています。私自身の気持ちを伝えさせてください」と記して、率直な想いを明かした。 　萩原さんは「パリオリンピック…沢山の方々に応援していただき、元アスリートとして嬉しく思います。ありがとうございます」と感謝を述べたうえで、過去の辛いエピソードを紐解いた。「応援の仕方は十人十色...私は2000年シドニー五輪で4位。悔しくて情けなくてドン底のまま帰国した時、『国の税金使って行ってるのにメダルの1つや2つ取ってこれなくてどうするんだ』と初対面の方に言われました。突き刺さる言葉に心が壊れましたが、それ以上に多くの温かい言葉に救われ、私は今、生きていられます」と綴る。 　 　そのうえで、「決勝に立てるのはひと握り...そしてメダルを獲得できるのはほんのひと握り。結果が出なくて1番悔しいのは、アスリート本人です...アスリートは目標に向かって必死でチャレンジしています。結果が出なくてもいいや...なんて思っているアスリートはいないんです」と訴え、「不安や怖さを乗り越え、世界の舞台でチャレンジしているアスリート達に拍手を送ってあげたい...私はそう思います」と続けた。 　そして最後に「立場が逆だったらどうなんだろうか、と、言葉を発する前に少しだけ考えてみませんか？」と問いかけた。フォロワーからは賛同する声が続々と寄せられている。 構成●THE DIGEST編集部