モルドバがEU加盟方針を国民投票で承認、予想外の僅差で
(ブルームバーグ): モルドバで欧州連合(EU)加盟方針の是非を問う国民投票が行われ、加盟賛成が過半数を占めたものの、差はわずかだった。
EU加盟支持が圧倒的な在外投票の結果が大きく寄与し、加盟賛成が反対を6000票足らず上回った。モルドバの中央選挙管理委員会が集計した暫定結果によると、約50.2%が賛成だった。
投票前の世論調査では賛成が常に過半数だっただけに、結果は予想外の僅差で、サンドゥ大統領がEU加盟を導くに当たり困難があることを浮き彫りにした。旧ソ連のモルドバは、数十年にわたるロシア支配からの脱却を目指している。
同時に行われた大統領選挙の第1回投票では、サンドゥ氏が首位で決選投票に進出した。同氏は選挙にロシアの干渉があったと非難し、「わが国の自由と民主主義が前例のない攻撃」を受けたと述べた。
サンドゥ氏は21日朝、「モルドバの国益に敵対する外国勢力と手を組んだ犯罪者集団が数千万ユーロとうそ、プロパガンダでモルドバを攻撃した」と主張。約30万票が買収された証拠があると指摘し、「前例のない規模の不正」だと語った。
大統領選挙には11人の候補者で争われた。サンドゥ氏は得票率42%でトップ。11月3日の決選投票では、約26%の票を得て2位となった親ロシアのストヤノグロ元検事総長と対決する公算が大きい。
原題:Moldova Approves EU Membership Path With Razor-Thin Margin (1)(抜粋)
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Lina Grau