メルセデス最小のEV「EQA」が改良! 変化は微妙? 試乗で確認
メルセデス・ベンツが常に目指すのは、たとえ入門車種でも、また最上級の「マイバッハ」でさえ、戸惑うことなく安心して運転できるクルマであることだ。「究極の実用車」というのがメルセデスの基本である。 車両重量は2tを超えるが、最大トルク385Nmの力強いモーターにより、何事もなく滑らかに走り出す。モーターの性能はGLAの「AMG35」に近い。そのうえで、モーターはエンジンの1/100ほどの素早さで反応するので、わずかなアクセル操作で速度を自在に制御できる。乗る前はサイズ的にそれなりの存在感を感じたEQAだが、走り出して間もなく、手の内に入る感触を得た。 市街地を抜け都市高速に入る加速車線でも、モーター性能のおかげで素早く流れに乗り、不安なく高速走行に入ることができる。メルセデスの常として、タイヤの接地感を覚えさせる安定性は抜群で、この先の高速道路での移動が楽しみになる。 ■「A」とは言っても装備は最新! 先進安全機能を試す 高速道路に入り、一般に「ACC」(アダプティブ・クルーズ・コントロール)と呼ばれる前車追従型の定速走行を試す。メルセデスは同機能を「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック」という。操作はいたって簡単だ。 ハンドル右側のスポークに設置された「SET-」のスイッチを押すと、一定速走行と前車との車間距離の自動調整が始まる。設定速度を上げたければ「SET+」を押し、下げたければ「SET-」を押す。この操作では、時速10kmごとの調整となる。時速1kmごとに微調整したい場合は、スイッチを上下にスワイプする。設定速度調整のためスワイプを用いる手法は今回が初めての経験だったが、応答が的確で使い勝手がいい。
前車との車間距離の調節は、速度設定のスイッチの左上にある押しボタンで行う。4段階の区別があり、時速80~100kmあたりで走るなら、3段階目の車間距離が適度だと思った。 車線変更は自分で操作を行うが、ウィンカーを追い越し車線側へ出すと、自動的にやや速度を上げながら車線移行をサポートしてくれる。走行車線より速く流れている追い越し車線への移行では、その加速感が後続車との車間距離を安全に維持するための安心材料になる。逆に、走行車線側へ戻る場合は、自動的な加速は行わず、現在の速度を維持しながらの車線変更となる。 満充電から500km以上走れるので途中で急速充電する心配はほぼないのだが、カーナビゲーション上には急速充電器のある場所が絵柄で表示される。地図を見ていると、周囲にこれほど充電器があるのかという心理的な安心材料になる。そこには何基の充電口があって、どれだけ空きがあるのかもナビ上で確認できる。