「ものづくり力」新たな可能性を 大阪勧業展にぎわう
「ものづくり力」新たな可能性を 大阪勧業展にぎわう THEPAGE大阪
多分野の新商品・サービスを集めた展示商談会「大阪勧業展」(大阪商工会議所など主催)が21、22両日の2日間、大阪市中央区のマイドームおおさかで開かれ、多くの来場者でにぎわった。10回目を迎え、過去最多の約350の企業・団体が出展。会場内を歩きながら、大阪ものづくりの新たな可能性を予感させる事例を取材した。
津波避難タワーのパイオニア
フジワラ産業(大阪市西区)は、地震による津波から人命を守る津波避難タワーのパイオニア。2004年、三重県志摩市に津波避難タワー「タスカルタワー」第1号基を設置。以来、今年9月、和歌山県すさみ町に設置を終えた42号基まで実績を積み重ねてきた。 「タスカルタワー」の特徴のひとつは、緩衝杭(かんしょうぐい)の設置。タワーの周囲に杭を打ち込み、津波とともに襲来する漂流物からタワーを保護するシステムだ。津波の速度、動きや高さ、押し波と引き波、漂流物など、津波の特性を総合的に分析し、それぞれの地域に適したタワーを設計して設置している。 同社はタスカルタワーの他にも、地震対策や火山噴火対策などをテーマに、さまざまな防災関連商品の開発普及に打ち込む。担当者は「災害から人のいのちを守る仕事はやりがい十分」と意気込む。
心地よい水耕栽培ユニット
和田電器(大阪府門真市)は、得意とする業務用導光板技術を応用して、光源にLEDを使った水耕栽培ユニットを開発。新しい家庭菜園の楽しみ方を提案している。 LEDを使用しているため、長寿命、省エネ、低発熱を実現。導光板の柔らかい光が心地よく、水耕栽培ユニットを置くだけで、室内をぜいたくな空間に演出してくれる。 技術と知恵で活路を切り開く地域振興グループ「岸和田ブランド認定委員会」(岸和田市)、「堺技衆」(堺市)、「阪南ブランド十四匠」(阪南市)などが出展。「阪南ブランド十四匠」のブースでは、人や環境にやさしいオーガニックコットンを栽培する大正紡績や、大阪湾での伝統的海苔づくりを受け継ぐ水産会社などの活動情報が提供されていた。