「ものづくり力」新たな可能性を 大阪勧業展にぎわう
女性職人がカンナかけを実演披露゜
大西商店(大阪市旭区)は1934年創業の建具屋。店舗や教室のとびら、民家の障子などを手掛けるほか、欄間の伝統技術とレーザー加工を組み合わせて新しい室内装飾品を企画するなど、木製建具の多彩な展開に挑んでいる。 一級建具製作技能士の塚本るいさんは、木工の世界にあこがれて建具屋を職場に選んだ。はっぴ姿で鮮やかなカンナかけの手さばきを披露。「カンナは力の入れ加減がむずかしい。木工の仕事は奥が深いので究めていきたい」と話していた。
学生がビジネスパートナーを求めて出展
大阪電気通信大学金融経済学部(寝屋川市)は、起業経営ゼミで学生が考案したビジネスプランを事業化するビジネスパートナーを求めて出展した。大学がビジネスパーソン向け展示商談会で積極的にプレゼンする時代を迎えた。 ビジネスプランのひとつ、「アラームグラス」は視覚障害者用障害物認識メガネで、昨年度の学生ビジネスプランコンテストで最高位の優秀賞に輝いた。 視覚障害者が白杖を頼りに外出する際、白杖では1メートル程度の範囲内の障害物しか認識できない。「アラームグラス」は測距カメラと骨伝導スピーカーをメガネに内蔵。測距カメラで広範囲の障害物の画像と距離を認識する。 認識した障害物の大きさや距離を、音の長さや高さを変えて表現し、骨伝導で視覚障害者にすばやく伝達するシステムだ。国内の市場規模がやや限られる半面、海外での需要開拓が見込まれるため、社会貢献意欲の高い中堅企業やベンチャー企業との共同事業化がふさわしいようだ。 過去最多の出展者で盛り上がった大阪勧業展。老舗企業から新進連携グループ、独創性に富んだ学生まで、ものづくりへの粘り強い取り組みが続く。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)