健やかな成長を願って 銀のさじを贈呈 龍郷町
鹿児島県龍郷町は今年度、町内の赤ん坊への銀のさじ(スプーン)のプレゼントを始めた。「銀のさじをくわえて生まれた赤ちゃんは幸せになれる」というヨーロッパの言い伝えにちなんだ取り組み。14日に同町浦の重信裕平さん(34)、温子さん(34)夫妻の長男で贈呈第1号の琥珀(こはく)ちゃん(0)への贈呈式が町役場であり、竹田泰典町長が父の裕平さんに、名前や出生時の体重などが刻まれた銀のさじを手渡し、琥珀ちゃんの誕生を祝福した。 出産祝いの縁起物として銀のさじを贈るヨーロッパの風習に感銘を受けた町民が町に提案。同町では以前から出産祝い金などの支給はあったが、「形に残るものをプレゼントしたい」と事業化した。
対象は今年4月1日以降に生まれた子ども。出産日の6カ月以上前から両親のどちらかが町内に住所があることや、町税の滞納がないことなどが要件。 琥珀ちゃんは今年の4月8日生まれで、今年度の同町の出生1人目。贈呈式には母の温子さんに抱きかかえられて出席。竹田町長は「龍郷町に生まれてくれてありがとう」などと、祝いの言葉も贈った。 裕平さんと温子さんは「記念の1人目となり恐れ多い。(琥珀ちゃんが)元気で何事もなく健康に育ってくれたら」と感謝した。 同町の2023年度の出生数は46人。今年4月に「龍郷町子ども家庭センター」を立ち上げ、子育て支援や児童福祉の充実を図っている。今年度は銀のさじプレゼントのほかに▽出産祝い金の増額▽2歳児までの保育料の引き下げ▽3歳児以上の副食費無償化▽公立保育所における保護者会費無償化―などを実施している。
奄美の南海日日新聞