園田競馬で移籍初日 小牧太、初戦勝った 20年ぶり兵庫県競馬復帰
“レジェンド”の再スタートに、4438人が鼓動を重ねた。1日付で地方競馬騎手免許を取得し、JRAから20年ぶりに兵庫県競馬に復帰した小牧太騎手(56)=兵庫・中塚猛=が14日、移籍初日を終えた。 お披露目となったのは2Rで、パートナーは単勝1・2倍と断然の支持を集めたエイシンジェット。熟練の技で五分のスタートを決めると、ファンの声援を背に受けて果敢に先行した。残り200メートルで逃げ馬をかわし、見事に復帰後初騎乗初勝利。地方通算3441回目のVゴールを決めた。場内は“おかえりなさい”とばかりに温かい拍手に包まれ、「5、6年くすぶっていましたが、園田でうっぷんを晴らしたいと思っています」と充実の汗を拭った。 04年に兵庫競馬からJRAに移籍。08年に桜花賞(レジネッタ)、翌年に朝日杯FS(ローズキングダム)を制すなど活躍を見せたが、近年は乗り鞍が激減。一時は引退も考えたほどだった。それでも、復活の可能性を信じて前例のない道を選んだ。 この日は早朝から9頭の調教にまたがり、レースでは5鞍に騎乗した。「これが合っていますね。JRAで20年やってきた経験を生かして、今はすごく楽しく調教できています。一日5鞍がベストかな。60歳まで太く短く、一年一年自分の体を全て出すくらいの気持ちでやりたい」。新たに生まれ変わった56歳。『騎手・小牧太』の第3章はまだ始まったばかりだ。