J2昇格を決めたJ3富山の左伴繁雄社長「スカウティングの大勝利」
◆J2昇格プレーオフ・決勝 富山2-2松本(7日、富山県総合運動公園陸上競技場) J2昇格プレーオフの決勝が行われ、カターレ富山(リーグ3位)は、2-2で松本山雅FC(同4位)に引き分けた。規定でリーグ上位の富山が、J2昇格を決めた。ホーム会場が盛り上がる中、気持ちを引き締めたのが、2021年に就任した左伴繁雄社長だ。「J2では20番目のクラブということを真摯に受け止め、戦う準備をしないといけない。もう、昇格Tシャツは脱いで、気持ちは切り替えています。残留を目指すチームは大概、残留争いをする。もっと上を狙うため、会社として準備をした上で、チームの強化に取り組みたい」と厳しい表情を見せた。 決して大きくない経営規模の富山で粘り強く昇格を果たした。2023年度の売上高は、14・6億円の松本に対し、富山は7・9億円。トップチームの人件費も松本の5・2億円に対し、富山は2・4億円となっている。左伴社長は「強化、スカウティングの大勝利かなと思っている。新人、若手の子たちがスタメンに4、5人と出場して活躍している。新人の選手が成長し、リーグ戦やルヴァンカップで戦えました」と話す。有望な若手選手を発掘することで、大きくはない経営規模の中で最大限のパフォーマンスを発揮。若手選手が成長しながら、チームも好成績を収めた。 J2昇格に導いた小田切道治監督の去就について、左伴社長は「本人とは、この試合が終わるまで、先の話はしないことにしていました。自分の一存で言うことは適切ではないですが、去年は3位、今年はプレーオフ制度でJ2に戻しました。実績を考えれば、彼が来年、いない理由は見当たらないです」と前向きに話した。(中田 康博)
報知新聞社