巨人・西舘勇陽、甲子園は「悔いの残る場所」…花巻東高時代の雪辱へ16日からの阪神戦は「潰されないように」
巨人の西舘勇陽投手(22)が15日、花巻東時代に3度立った経験のある甲子園のマウンドで、悔しい記憶を塗り替えることを誓った。16日から阪神との3連戦。2年春夏、3年夏に聖地のマウンドに立ちながら、結果を残せなかったドラ1右腕。「高校時代、甲子園はうれしい思いはできなかった。いい意味で引きずらないというか、心を新たに投げたいと思います」と思いをはせた。 【動画】ドラ1西舘勇陽がG球場で調整 前日の春季教育リーグDeNA戦4回7K好投 初出場は18年のセンバツだった。「初めて甲子園に入ったときは、すごく広くて感動しました。ただ、悔いの残る場所ですね」。この年、春夏連覇を達成した大阪桐蔭との準々決勝では、2回0/3を6安打2四死球7失点で敗れた。「3回も立ちましたけど、自分が足を引っ張って終わりました」。最後の夏も鳴門との初戦で5回2/3を投げて6失点と打ち込まれた。 あの時の悔しさは今でも鮮明に覚えているが、引きずってはいられない。「高校生のマウンドとプロのマウンドは硬さとかも違ったので、甲子園で投げたことがないみたいな気持ちでいきたい。新しい環境になると思うので、そこからの慣れも大事かなと思います」と、プロの世界でいい思い出をつくっていく。 伝統の一戦はファンの盛り上がりもいつも以上に大きい。マウンドではポーカーフェースの背番号17だが実は阪神戦に限らず、普段から観客の応援は「すごい耳に入ってきますね」と明かす。甲子園のヤジのきつさはもはや名物だが、「今でも全然緊張しっぱなしなので(笑い)。メンタルを潰されないようにしたいですね」。雰囲気にのまれることなく己の仕事を全うすることを心がける。 ここまで開幕から7試合連続無失点&リーグ単独1位の7ホールドをマークし、勝ちパターンの一角としての地位を確立しつつある。与四球はわずか1つ。ストライク先行で攻め続けている。「目の前のバッター一人ひとりに集中して投げていくだけです」。高校時代とは違う、ボールも心も強さを増した姿であの場所へ帰る。(水上 智恵) ◆西舘と甲子園 ▽2年春 根尾(中日)、藤原(ロッテ)らを擁する大阪桐蔭との準々決勝で大会初登板。4点ビハインドの2回から登板し、2回0/3を6安打2四死球7失点(自責5)と崩れ、0―19で大敗。 ▽2年夏 下関国際との1回戦で、延長10回に勝ち越された直後に2番手で登板し、1/3回を投げて無安打無失点。チームは2―4で敗れた。 ▽3年夏 鳴門との1回戦で3回から登板。最速145キロをマークしたが、5回2/3を6失点(自責4)と打ち込まれ、チームは4―10で敗れた。
報知新聞社