讃岐うどんと武蔵野うどんのいいとこどり!? 東京・池袋『肉汁うどん 奥村』の「ハイブリッドうどん」が旨い理由
その調味料とは、(1)玉ねぎ、(2)油七味、(3)豆チ胡椒、(4)すりごま、(5)煮干し酢、(6)紅腐乳(べにふにゅう)、(7)かえし、(8)スパイス魚粉、(9)にんにくラー油、(10)バジル生姜の10種類。調味料といっても、けっこう変わり種が多い印象です。 というわけで注文した「肉汁うどん」(並盛・880円)が登場しました。
さて、讃岐うどんと武蔵野うどんのハイブリッドうどんなるその麺を確認です。目を引くのがペロンと載った1枚の幅広麺。これはうどんを切った時の端部分でしょう。本格的な手打ちだとわかります。 その下には太すぎず、中太タイプのうどんが鎮座。みずみずしくて、ツヤツヤと輝いています。見た目だけでいえば、無骨な武蔵野うどんというより、讃岐うどん寄りでしょうか。
そして肉汁には、大ぶりの豚バラ肉、ナス、長ネギ、油揚げといった具材がたっぷり。お出汁の香り・旨さと肉脂の甘み・コクが渾然一体となった、旨みたっぷりの甘辛醤油味。つるりとしたうどんですが、つゆをしっかり絡め取ってくれます。噛むとしっかりしたコシともちもち感で、噛むと甘辛いお出汁がじわりを染み出します。
もはや、讃岐か武蔵野かはどうでも良くなってきて、ひたすら美味しい肉汁うどんなのです。具材も多く、ガッツリ食べ応えもある。これはイイ! しかも、前述した10種類の調味料等を使って味変すると、さらにとてつもなくウマく、楽しくなるのです。 例えば、肉汁に角切りの刻み玉ねぎを入れると「八王子ラーメン」風に。シャキシャキした玉ねぎの食感、そしてほんのりとした苦味。これが甘辛いうどんの味わいをギュッと引き締めてくれます。ここに煮干し酢をたらすとすっきりした味わいになり、後を引く。
また、うどんの方に「バジル生姜」を絡めてみると、パスタ風になります。今回は冷やしうどんにしたので、冷製バジルパスタならぬ冷製バジルうどんに。 さらに、うどんに紅腐乳(べにふにゅう)や豆チ胡椒、ニンニクラー油などを加えてみると、本格的な中国料理の味に変身する……といった具合。 このように10種類の調味料をあれこれ使い、うどんに混ぜて “まぜうどん”にしてみると、肉汁うどんとはまったく別の味わいが生まれるのです。この新鮮な味わいが面白くて、何より美味しいのです。