いわてことし④スポーツ 全国・世界で輝いた岩手のアスリートたち
岩手のこの一年を振り返るシリーズ「いわてことし」です。3回目の野球に続き、4回目は全国、さらに世界で輝きを放ったスポーツを振り返ります。岩手のアスリート、輝いています! 「天下の険」ともうたわれるあの箱根の山を誰よりも速く駆け下りました。一関学院出身で法政大学の武田和馬選手が3年連続で山下りの6区を走り、区間賞を獲得しました。 武田和馬選手 「自分のペースでいけたと思うので、すごく100点満点の走りだったと思う」 最後となる来年の箱根駅伝でも期待です。 「花の都」で輝きました。北上市出身の高橋和生選手が、新種目の男女混合競歩リレーに出場。粘り強く歩き切りました。 高橋和生選手 「日本代表として自覚をもって歩けた」 子どもの頃から追い続けた夢…中学生の時に自転車の車輪で描いたのは五輪のシンボルマークです。夢の舞台に立った中野慎詞選手。日本発祥のケイリンでメダルを狙いました。 実況「落車があった、落車」 メダルにはあと一歩届きませんでした。 中野慎詞 選手 「またリベンジする機会があればリベンジしたいと思っているし、次こそはという思いは強い」 岩手町出身の及川栞選手と田中彩樹選手も「さくらジャパン」の一員として出場。3大会ぶりの勝利に貢献しました。 及川栞選手 「パリ、東京オリンピックを経験した中でいろいろな形で伝えていかなければ(ホッケー界が)変えることができない。いろいろなスパイスを与えていきたい」 田中彩樹選手 「これからは支えていけるような人になっていきたいと思っているので、自分自身も成長しながら周りとがんばっていきたい」 パラリンピックでは、陸上の車いす競技に出場した小野寺萌恵選手が2種目で6位入賞。始めてのパラリンピックを堂々と走り抜けました。 小野寺萌恵選手 「追い抜きたかったところが追い抜けなかったので、くやしい思いはあった」 4年後のロサンゼルスでメダル獲得を目指します。 世界で輝くアスリートたちが岩手に恩返しです。小林陵侑選手はふるさと八幡平市で子どもたちにジャンプの楽しさを伝えました。 小林陵侑選手 「地元に恩返しがしたいという意味もあったし、自分のやっている競技を広めたいというのもあった」 スポーツクライミングの伊藤ふたば選手は地元・盛岡で体験イベントを自ら企画しました。 伊藤ふたば選手 「これからクライミングを続けていきたいという子が、どんどん増えていけばいいと思っている」 自分が育った場所から世界の高みを目指す選手が、また出てくれることを願って。 すごいスピードで“歩く”先生が誕生です。九戸村の小学校に勤める高橋英輝先生は、オリンピックの競歩種目に2度出場したトップアスリート。6月に引退し、地元・岩手で子どもたちを教える道を“歩き”始めました。 高橋英輝さん 「毎日、自然豊かな環境でチャレンジする瞬間がたくさんあるので、一緒にチャレンジしていきたい。子どもたちが楽しく学校に来てもらえることが目標」 秋場所で初の敢闘賞を受賞した錦木。奥州市での合宿で、子どもたちを前に迫力ある相撲を披露しました。 錦木 「岩手県出身力士が少ないので、小さい子も相撲に興味を持ってもらえればいい。将来、お相撲さんになる人もいるかもしれないし、ならなくても相撲好きだという人が増えてくれれば」 プロスポーツは厳しさを味わいました。「いわてグルージャ盛岡」は、J3最下位となりJFLへ降格。再びこの場所に戻ってくることをサポーターは願っています。 B3リーグに降格した岩手ビッグブルズは、5連勝と好スタートを切るものの、上位チームに連敗し、現在リーグ4位。さらなる躍進が期待されます。 高校サッカー選手権で全国切符をつかんだのは専大北上。 実況「すらしたボール。こぼれている、押し込んだ」 PK戦までもつれた試合に勝ち、3年ぶりに全国の舞台へ。29日に高知高校と対戦します。 成田大悟主将 「もっとチームに磨きをかけて1勝できるようにしたい」 期待の新星も現れました。空手と柔道を組み合わせた空道に励む、盛岡市の中学生、飛澤周希選手。全日本ジュニア選手権で優勝を果たしました。目指すのは世界の頂点。 飛澤周希選手 「みんなから応援される選手になり、みんなの手本になれる選手になりたい」 なぎなたでは、南舘日奈太選手が団体戦で世界を制しました。 そして、スピードスケートでは吉田雪乃選手が世界に衝撃を与えています。先月のワールドカップ初戦で自己記録を更新し、日本人選手として、3シーズンぶりに500メートルを制しました。 吉田雪乃選手 「思ってもいなかったので、信じられない気持ちだった。自己ベストなのでうれしいのが一番」 吉田選手は中国で行われたワールドカップも制し、強さを証明しています。 輝く岩手のアスリート。競歩種目でオリンピアンとなった高橋英輝さんと和生選手は同じ高校の先輩と後輩です。和生選手はずっと先輩の背中を追ってきました。 高橋和生選手 「英輝さんが選考レース終えたにも関わらず沿道で和生頑張れと「パリは任せた」と応援してくださったので」「自分が英輝さんの分までという思いはある」 背中を追い、引き継がれる思い。世界で輝く岩手のアスリートの歴史は続いていきます。