センバツ2023 2回戦 高知、粘りで接戦制す 3-2、履正社に逆転勝ち /高知
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第6日の24日、高知は2回戦で履正社(大阪)と対戦し、3―2で逆転勝ちした。チームスローガン「逆境からの粘り」を体現するようなプレーを繰り広げ、終盤までもつれた接戦を見事に制した。3回戦は第8日の第2試合で、専大松戸(千葉)と8強入りを懸けて戦う。 高知の最大の見せ場は、1点を勝ち越された八回にやってきた。1点を奪ったものの、七回まで無安打。思うような攻撃ができない中、逆転劇の口火を切ったのは代打で出た先頭打者の井上聡太だった。「逆方向にも打てる」の言葉通り、詰まりながらも右前に流し打ち。このチーム初安打で流れが来た。 一塁側アルプス席を埋めた応援団が、流れに拍車をかけた。特に耳目を集めたのが吹奏楽。四條畷学園(大阪府大東市)マーチングバンド部約70人の協力を得た力強い演奏が、球場に響き渡る。同部長の赤堀愛子さん(17)は「甲子園を楽しませてもらっている。感謝のきもちを込めて吹いている」と懸命に選手を後押しした。 犠打と2四球で1死満塁と好機を広げたが、三振で2アウトに。だが、ここで3番・高塚涼丞が中前に値千金の2点適時打。この回代打を送られ、ベンチで戦況を見守っていた主将の西村侑真は試合後、「高校生活で一番盛り上がった瞬間だった」と満面の笑みで振り返った。 二回に好投の先発・西村真人に代打を送るなど、早めの継投で相手の強力打線をかわし思惑通りの「終盤勝負の接戦」に持ち込んだ浜口佳久監督の采配も光った。 昨春センバツの「1勝」を上回る今大会2勝目。西村侑真は「練習を助けてくれた先輩たちを超えることができ、素直にうれしい。目標は日本一」と高らかに宣言した。【山口敬人、安徳祐】 ◇上級生が「意地」 ○…わずか18球ながら、上級生が意地を見せた。1回戦を2年生投手のリレーで勝利した高知。この日は昨秋背番号1だった3年生右腕の西村真人が先発した。初の甲子園のマウンドだったが「楽しめた」と持ち味の力強い直球を軸に、一回7球、二回11球で打者計7人を1安打無失点で抑えた。二回の攻撃でスクイズを失敗し、ここで代打を送られベンチへ。「もう少し投げたかった」とこぼしながらも、「下級生に頼りきってはいられない。次はもっと勝利に貢献したい」と意気軒高だった。