若手チェリスト、横坂源がリサイタル R.シュトラウス、シュニトケ、ラフマニノフを弾く
13歳のとき東京交響楽団と共演しソリストデビューを飾った若手チェリストの横坂源(38)が、リサイタルを行う。R.シュトラウス、シュニトケ、ラフマニノフのチェロ・ソナタ3曲のプログラム。「初めての自主公演です。今やりたい思い入れのある曲を弾きます。10代からやらせてもらい、ここまで来られました。お客さまに感謝いたします」と話す。 ■ドイツで生活が一変 父親が新潟大で音楽学を教えており、自宅に教え子が出入りしていた。その一人がチェロを弾いていた影響で、4歳から日本人チェリストの先駆者、斎藤秀雄の弟子の鷲尾勝郎に習った。小学4年から読売日本交響楽団で活躍し、桐朋学園大学で教える毛利伯郎に教わるため新潟から週1回、東京に通った。そして桐朋学園女子高等学校(共学)に進学する。 「練習は好きではありませんでした。年に3回、暗譜で発表会がありました。よかったよ、と褒められるのがうれしかった。やってみたい曲が次々とあったので、チェロをやめようとは思いませんでした。同級生と同じ高校に通いたかったけど、新潟から東京に出るときに、音楽で生活できるようにならなくてはいけないと思いました」 10代で才能は開花する。2002年、15歳のときにチェリストの登竜門として知られる全日本ビバホール・チェロコンクールで最年少優勝。その年に小澤征爾の指揮で行われた桐朋学園音楽部門創立50周年記念オーケストラ・コンサートで、ハイドンのコンチェルトを演奏した。 同学園ソリスト・ディプロマ・コースを経て、2006年、ドイツのシュツットガルト国立音楽大、フライブルク音楽大で学び、たびたび来日している人気チェリスト、ジャン=ギアン・ケラスに師事した。6年滞在し、09年に全ドイツ学生音楽コンクール第1位、10年には難関のミュンヘン国際音楽コンクールで第2位を獲得した。 「ドイツで生活が一変しました。一人でいろいろなことを考えるきっかけになりました。学校の発表会に近所のおじさんが聴きにくるのです。音楽が日常にあることを実感しました。ケラス先生は自分の知らないことをたくさん知っているに違いない、と思い師事しました。一生懸命くらいつき吸収しました。すっきりと見通しがよく、明るい音がたくさんあるのが魅力です。ケラスその人から出る音を感じました」 ■楽器から教わる