情報Ⅰは2年生で履修し、3年生は自己学習

　最後に、学校側がどう対応していくかの実例として、鶴丸高等学校の受験に向けた授業体制を紹介した。鶴丸高等学校では情報Ⅰの授業は2年生で行っている。2年生のうちに入試問題を解く上で基礎となる力を付けておき、3年生で受験対策の問題演習に取り組むという。そのため、情報Ⅰは知識の学習に加えて、身に付けた知識を生かすために考えたり、発表したりする機会を設けている。 　こうした時間を捻出するために、春日井氏は講義を3～5分の動画にしていつでも視聴できるようにしているという。2023年度は動画の作成が間に合わない場合もあったが、2024年度は準備ができており、予習用に見ておくようにといった指示が出せるという。また、「3年生が復習するのにも活用できている」（春日井氏）と、副次的な効果も得られている。 　3年生は授業が終わってしまっているので、与えた教材による自己学習が中心になる。教材は時期に応じて内容を変え、前半は知識の確認、後半は大学入学共通テストと同レベルと思われる問題を解くような形を採っている。さらに長期休暇中は3年生への補講を実施している。これらに加えて定期的な実力考査を課し、共通テストと同じ形式の問題を解かせるようにしているという。