マンション住人は避難所に入れない…いつ襲われるかわからない大地震「マンション住民の備えと覚悟」
マンション1棟で“地区”。在宅避難で役所からの支援を得るためにも「地区防災計画」の申請を
マンション住人に山本氏がすすめるのは、「地区防災計画」を作り、役所に申請すること。 「ここでいう“地区”とは、自治体の“地域”とは違って、住民が任意で作ることができます。近所の方と“地区”を作ってもいいし、マンション1棟で申請することもできます。マンションでは避難訓練を行っていると思いますが、そのマニュアルを『地区防災計画』とタイトルを変えて提出すればいいのです。そうすると役所からアドバイスがもらえるし、役所も支援しやすくなり、公助を受けやすくなります」 在宅避難をしていると、給水車はいつ来るのか、街はどうなっているのか情報が入らないと不安だが、「地区防災計画」を申請しておけば、在宅避難しながらマンション管理組合などを通じて役所からの情報も入手しやすくなるという。これは申請しておいたほうがいいかもしれない。 「立地も違えば、住人の年齢構成も異なる。それぞれのマンションに合った『できること』の計画を立てればいいのです。住人の方の考え方も違う。防災計画に正解はありません。自分たちに合った計画を立ててください」 山本賢一郎 日本防災士会理事。(株)andBOSAI代表取締役。日本大学理工学部砂防防災工学非常勤講師。事業構想修士(MPD)。大学卒業後、建設コンサルタント会社に入社。その後、NPO法人土砂災害防止広報センター理事長を経て、現職。日本防災士会には8500人が所属し、災害の現場にボランティアを送っている。 取材・文:中川いづみ
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