シーホース三河 激闘の末、宇都宮に連敗 西田優大「すべてが悪かったわけじゃない」とカムバックを誓う
リッチマンHC「いつかこのゲームが意味のあるものだったと言えるように」
東地区優勝を狙う宇都宮にとっても負けられないゲームで、意地と意地がぶつかりあった好ゲームだったが、わずかの差が明暗を分けた。 試合後、宇都宮の佐々宜央HCが「(三河は外国籍選手を中心に)1対1で守るのが難しいような選手たちがそろっていて、個人技が高い。2連勝しましたが、負けてもおかしくなかったゲームでした」と語ったように、宇都宮にとってもタフなゲームだったのは間違いない。 一方、会見場に現れたリッチマンHCは「宇都宮さんがリーグのトップである理由がはっきりと分かる試合でした。ただ、努力レベルでは負けていなかったし、その点では選手たちを讃えたいと思います」と振り返る。そして、こうも続けた。 「正直、今は傷ついていて、悔しい思いがいっぱいです。でも、選手やスタッフの長いキャリアの中で見たとき、今日は学びがあって、成長につながるゲームだった。自分たちはずっと『カイゼン』を掲げてきて、それは今日の試合も変わらず、学び、カイゼンし続けていかなければならない。シーズンを振り返ったとき、今日の試合が重要だった、意味があった試合だったと言えるようにしたいです」 ここ3試合は3Pシュートのディフェンスが鍵となった。三遠戦では48.1%、宇都宮戦ではGAME1が44.4%、GAME2が47.2%。どれも高確率で3Pシュートを決められている。守り切った上でタフショットをねじ込まれ、ツキのなさを恨みたくなる場面もあった。しかし、西田優大の考えは少し違う。 「僕たちはペイントからの失点を防ぐことが第一で、(ゲームプランに応じて)やられてはいけない選手には激しくチェックします。三遠戦に関しては、ペイントから得点されたシーンが多く、相手の3Pシュートどうこうよりも、やるべきプランを遂行できなかった印象。今日は、僕たちがやらせたくないことを実行でき、ゲームをコントロールできた時間帯もあった。だから(勝敗は)勝負所のちょっとの差。役割は遂行できたけど、それ以上に決め切られた。あとは1対1(のディテール)でどれだけ詰められるか」 宇都宮に真っ向から立ち向かい、用意したプランを遂行し、手応えも感じた。それだけに悔しさが募る。「2試合とも勝つチャンスはあったと思っています。ただ、勝負所の時間帯で宇都宮さんはやるべきことをやっていて、僕たちはターンオーバーだったり、やるべきことを遂行できなかったり。本当に細かい部分ですけど、その差かなと思います」 ただ、下を向いている暇はない。今週末には東地区2位・アルバルク東京とのゲームが控えている。さらに、川崎ブレイブサンダース、サンロッカーズ渋谷とチャンピオンシップ(CS)出場をかけた戦いは続く。「連敗は正直きついですけど、すべてが悪いわけではないと思っています。少しずつステップアップして、CSで戦えるチームを作っていく。全員が気持ちを切らさず、同じ方向に向かってやれば、最後には結果が出せるチームだと信じています」 リッチマンHCが話したように、悔しい経験を経て、最後には笑えるように。どんな強敵が相手でも「まずは自分たちにフォーカスすること」と、不屈のエースはカムバックを誓った。