黙々と重ねる豪快アーチ 中村剛、通算500号へ着実に―プロ野球・西武
苦しいチーム状況にあっても、40歳の強打者は黙々と役割に徹している。 西武の中村剛也内野手が10日現在でパ・リーグ3位タイの7本塁打。通算478号まで積み重ね、過去8人しか達成していない500号へ着実に歩みを進めている。 【写真】ロッテ戦の9回、同点のソロ本塁打を放つ西武の中村剛 5月25日のオリックス戦の二回に477号となるソロを放ち、金本知憲(元広島、阪神)を抜いてプロ野球歴代単独10位に立った。それでも「(感触は)ぼちぼち。まだまだ打てるように頑張る」と素っ気ないコメント。今季、自身が本塁打を記録した試合でチームが勝ったのはこの日が初めて。なかなか貢献できない野手陣の責任を、人一倍感じている様子だった。 通算500号まで残り29本で今季を迎えた。オフのトークイベントでは、フリップボードに目標本数を背番号と同じ「60」と掲げて観客から大喝采を浴びた。その前の契約更改で目標は30本と話していた中村剛。熱心なファンと顔を合わせると数字が2倍に跳ね上がった。 無理はできない年齢だが、貧打のチームは打線の核として中村剛に頼らざるを得ないのが現状。渡辺監督代行は、交流戦で指名打者制がないセ・リーグ球場の試合で一塁に就かせることもある。近年は守る機会がめったになかったものの、ミットさばきは軽快。監督代行は「違和感ないでしょ」と目を細めていた。 通算2000安打も、残り200を切っている。しかし、その大台は完全に意識の外にあるようで「500号の方が、なんかしっくりくる」。6度の本塁打王に輝いた生粋の「ホームランアーチスト」。ファンに届けたいのは、あくまで豪快な一発だ。