日野の2024年4~6月期決算、認証不正の赤字幅が縮小 大型トラックの国内販売も回復
日野自動車が7月25日発表した2024年4~6月期決算は、純損益がマイナス2億円と、前年同期の165億円の赤字から収益状況が大きく改善した。国内の認証不正関連費用が前年同期から126億円減ったほか、大型トラックの国内販売が前年同期比9.6%増となった。通期の純利益見通しは米国で認証不正関連の調査が続いていることから非公表のままとした。 24年4~6月期の売上高は前年同期比10.5%増の4110億円、営業利益は同5.6倍の63億円だった。「A09C」エンジン搭載車が昨年3月の出荷再開後、供給が正常化したことで、大中型トラックの国内シェアも28.1%と前年同期から5.6ポイント改善。国内セグメントの営業利益は前年同期から64億円増加した。為替も円安影響で75億円の増益要因となった。 一方、アジアの営業利益は前年同期から40億円減少した。販売台数は、ローンの審査厳格化が続くタイが同35.9%減となったほか、インドネシアも11.1%減と、現地経済の停滞が響いた。中野靖CFO(最高財務責任者)はタイ市場について「融資が焦げ付きローン審査が厳しく、市場は昨年に比べて3割減となっている。状況が年度内に戻るとは見ていない」と、回復は来年度以降との見通しを示した。 認証不正関連の損失は、国内が5億円と前年同期の131億円から大幅に減少した。25年3月期の純利益は、米司法省の捜査次第で補償が発生する恐れがあるため、開示を見送ったままとした。 (2024/7/26修正)