子ども3人、全員「オール国公立」で有難いが…年収1,200万円の58歳部長「退職金2,500万円でも全然足りません」定年間際の焦燥【FPが解説】
“オール公立の教育費”と“オール私立の教育費”の差
文部科学省は、子供の学校教育と学校外活動に支出した費用などについて、平成6年より1年おきに調査を実施しています。令和3年度の調査結果から、幼稚園から高等学校までの15年間に必要な学習費総額についてまとめられているのが以下のグラフです。 大学に必要な費用は、下記のとおりです。(2020年度文部科学省調査より) 入学料 授業料 初年度合計 4年間合計 6年間合計 国立大学 28万2,000円 53万5,800円 81万7,800円 242万5,200円 349万6,800円 公立大学 39万1,305円 53万6,363円 92万7,668円 253万6,757円 360万9,483円 (令和3年度文部省調査より) 私立大学 入学料 授業料 施設設備費 初年度合計 在学中合計 文科系学部 22万2,651円 81万5,069円 11万8,272円 111万8,991円 395万6,015円 理科系学部 25万1,029円 113万6,074円 17万9,159円 156万6,262円 551万1,961円 医師系学部 107万6,278円 288万2.894円 93万1,367円 489万539円 2,396万1,844円 その他学部 25万4,836円 96万9,074円 23万5,702円 145万9,612円 507万3,940円
お金に困るということは考えられないが…
Sさんの子どもたちの成績は、3人とも上位のほうでした。部活動にも各々参加し、夫婦の願いどおり充実した学校生活を送っていたそうです。Sさんの年収は安定して右肩上がりで、年収は1,200万円に到達します。妻も長女が小学校高学年になり、子育てに手がかからなくなるようになると、パートに出られる余裕も生まれてきました。 ただし収入と支出のバランスはトントンというところでしたが、貯蓄といえるお金はない状態でした。 Sさんが50歳になったころ、部長昇進をきっかけに「退職金は2,500万円受け取れるし、年金収入や妻のパートなどもあって、お金に困るということは考えられないけれど、少しは老後のことも考えながら貯蓄をしていかないと」と考え始めたそうです。