職場では独身だと「有休」を取りにくいです。申請しても「却下」される場合もあるのですが、どうすれば良いでしょうか?
有給休暇は、労働者に当然認められている権利です。正社員や非正規社員といった雇用関係は関係ないのはもちろん、家族構成などに関係なく取得できます。 実態として、何らかの理由をつけて有休の取得を差別化している企業もあるようです。本記事では、子どもの有無を理由に有休取得が認められなかった人の悩みを解説します。 ▼有給休暇の取得に会社の許可は絶対に必要?「繁忙期」でも取得できるの?
有給休暇は労働者に当然に認められた制度である
独身のAさんは、有給休暇の取得をめぐって上司とトラブルになったそうです。「子どもがいる同僚は、毎回有休の申請がスムーズに認められています。しかし、自分はなぜか取得させてもらえません」 「直接的に子どもの有無を理由にしていませんが、実際にほかの独身者も同じ対応をされているようです。有休は自分の好きなタイミングで取得できるはずなので、納得できません」と憤っています。 有給休暇は、労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図るための制度です。有給休暇を取得する理由は問われず、また取得理由を上司や使用者に報告する義務もありません。 原則として、有給休暇は労働者が希望する日に取得できます。例外として、労働者が請求した時季に年次有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合、使用者に「時季変更権」が認められます。 使用者が時季変更権を行使し、合理的な理由と正当性があれば、労働者は有給休暇を取得する日をずらす必要があります。この場合でも、有給休暇を取得する日をずらす必要があるだけで、取得すること自体は制限されません。 なお、単に「忙しくなるから」「繁忙期だから」という理由だけでは時季変更権は認められません。使用者には代わりの人員を確保するための措置を行う必要があり、努力をしてもなお事業の正常な運営を妨げる場合でなければ、時季変更権は行使できません。 つまり、今回のように正当な理由なく労働者の有休申請を認めない行為は違法です。本来であれば、Aさんも希望する日に有給休暇を取得できます。