なんでこんなに手取りが少ないんだよ…。サラリーマンが抱える不満を解消?税金が3分の1に減る&支出が激減する秘策とは【資産数億円のメガバンカーが解説】
魔法のマントによって税制面・信用面・資金繰り面で優遇される
プライベートカンパニーという名の「魔法のマント」が1枚あれば、まるで魔法使いになったように、いままでできなかったあらゆることができるようになります。プライベートカンパニーとは自分法人、つまりあなた専用の法人です。 法人が税制面で圧倒的に低い税率になることについてはお話ししましたが、メリットはそれだけではありません。プライベートカンパニーを羽織るだけで取引上の信用力が上がって、ビジネスをするうえで有利になります。しかも、銀行からの融資も受けやすくなって資金繰り面でも安定性が増します。つまり、税制面・信用面・資金繰り面で優遇される最強のアバターです。 しかも、法人というアバターには寿命がありません。プライベートカンパニーにつける社名も、掲げた理念も、プライベートカンパニーが保有する財産も、すべてを子々孫々と引き継いでいくことができます。「魔法のマント」の他に「方舟」の役割も果たしてくれるというわけです。こんな便利なものを使わない手はありません。 夫婦の収入を夫だけに偏らせるのではなく、妻にも収入源を持ってもらい、妻に経済的に独立してもらったほうが税制面でも圧倒的に有利です。ところが、それよりももっと効率的に節税する方法が、このプライベートカンパニーを活用する手法なのです。プライベートカンパニーをつくってしまえば、夫と妻とプライベートカンパニーとの三者間でバランスよく所得の分散ができるので、節税効果もグレードアップします。 中小法人は税率が低いというお話をしましたが、メリットはまだまだあります。青色申告を始めとするいくつかの制度を利用するだけで、さらに税金が安くなる仕組みになっているのです。税制は毎年変化していきますが、零細企業向けの優遇税制については、社会的弱者保護と雇用の維持という社会政策的な意味合いが強いので、撤廃されることはまず考えられません。
さまざまな費用をビジネス費用として「経費扱い」にできる
税金を安く済ませることができる場所のことをタックスヘイブン(租税回避地)と呼びます。イギリス領「マン島」やカリブ海に浮かぶ「ケイマン諸島」が有名です。パナマ文書で有名になったパナマや、バイデン大統領のお膝元のデラウェア州もタックスヘイブンです。 節税するにはぜひとも利用したいところですが、いずれも日本からだいぶ距離がありますし、手続きがとても複雑です。ところが、そんなに遠くまで行かなくても、プライベートカンパニーを活用して経費として使うだけで、日本にいながらにしてタックスヘイブンを利用するのと同じような効果が得られます。 自営業のような個人事業主の場合、客観的に仕事の収益に直接つながるなら経費となります(所得税法37条)。とはいえ、事業領域と生活領域とを明確に線引きするのはムリな相談です。領域が互いにオーバーラップしているからです。 そこで、両方にまたがった出費については、実際のウエートに比例してコストを配分しています。そのため、個人事業主はサラリーマンよりもはるかに節税できます。しかし、プライベートカンパニーを羽織るだけで、個人事業主よりもっとすごい節税ができるようになるのです。 少し視点を変えるだけで、少なくとも個人事業主と同じようにさまざまな出費をプライベートカンパニーのビジネス費用として経費扱いにできることに気づきます。たとえば、交通費は出張旅費として費用扱いにできるので、その分の税金を減らすことができるようになります。そのついでに近くの温泉や観光地に寄り道できれば、行楽費用を経費で賄うことも可能です。お偉いさんは、視察や研修と称して公費で物見遊山されているそうですが、それと同じです。 その他、自宅家賃・通信費・光熱費、ランチミーティングなどのうち、会社経営に直接必要なものであればすべて、経費にして節税することができるようになります。 結果的に、こうした経費を差し引いた後の「残りのわずかな所得」に対してしか税金がかからなくなるのです。たとえば、売上高が300万円規模のビジネスだとしたら、経費を差し引くことによって、課税される所得がほとんどなくなってしまいます。つまり、所得税がかからないのです。 それと同時に、いままで夫の給料から負担してきた家計の支出の一部をプライベートカンパニーが経費として肩代わりしてくれますし、身内への給料は実際には手許に残るお金ですから、お金自体はハイペースで貯まっていく、というわけです。 もちろん、度が過ぎてはいけませんし、どのような業務目的で支出したのかを説明できるものを残さなければなりません。私たちサラリーマンは正直な小市民です。ですから、分相応に、正直に経費扱いにしていきましょう。ただし、「自分たちの貢献に対する世の中の感謝の気持ち」のなかから出すのですから、経費扱いすることに後ろめたさを感じる必要はありません。 個人事業主は、このようにサラリーマンでは考えられない節税ができますが、プライベートカンパニーの足元にも及びません。たとえば、個人事業では赤字を3年しか繰り越せませんが、法人では10年繰り越せるので、将来の黒字と相殺して税額を減らせます。 個人の所得税には超過累進税率が適用されて収入が増えるほどに税率が引き上げられますが、法人税率は収入額にかかわらず税率が一定の比例税率です。慰安旅行も福利厚生規則でうたえば経費にできます。 その他にも、出張手当や社長への給料は個人事業では支払えないがプライベートカンパニーでは支払えるなど、税金面でのメリットが山ほどあるのです。しかも、取引先からの信用力や銀行からの借り入れのしやすさもグンと上がります。 このように、個人事業をプライベートカンパニーにすることで、経営の自由度が飛躍的に高まるというメリットが生まれます。会社の形をとらない個人事業者数は10年前には約243万件と法人より多かったのに、いまでは161万件に激減して法人数を大幅に下回りました。 おそらく、プライベートカンパニーのような法人にしておくほうが、ずっとスマートに節税できることに、多くの人が気づいたからだと思います。 坂下仁 お金のソムリエ協会会長 ※本記事は『新版いますぐ妻を社長にしなさい』(フォレスト出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。このメソッドによる結果に編集部は一切責任を負いません。自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。
坂下 仁
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