空を映す湖面!白波が立つ太平洋!その間をまっすぐに走る絶景ドライブ
「津波は堤防を越え、人家のある所まで来ました。松川浦沿岸は比較的被害が小さかったのですが、外海に面した集落の被害は甚大でした」と相馬市観光協会の遠藤美貴子さん。さらに昨年、一昨年の福島県沖地震が追い打ちをかけた。建物が被災して営業をやめる宿もあったという。 それでも震災から13年がたとうとしており、その間に特産のアオサの出荷や海水浴場の再開、祭りの相馬野馬追の復活、浜の駅の完成など状況は少しずつ前進している。この日泊まった宿の4代目主人は震災時、高校生だったそうだ。卒業後、仙台で調理修業をして地元に戻り後を継いだ。今はほかの旅館の仲間たちとともに「浜焼き」など宿泊客向けの企画を考えているという。 10年で海山が織りなす自然の風景は大きく変わらないが、人間の営為が生み出すものは変わっていく。その組み合わせ、移り変わりもまた、忘れがたい風景を生み出すのだろう。 文/福﨑圭介 松川浦 ベストシーズン 通年 見学自由 常磐線相馬駅から徒歩3分の相馬営業所でバスに乗り換え16分、松川浦下車/常磐道相馬ICから国道115号、県道38号経由10キロ 問い合わせ 電話0244・35・3300(相馬市観光協会) ※「旅行読売」2024年2月号の特集「2024年に見たい 新 日本の絶景」より