祖母が「年金証書がない」と言うので一緒に探し回りました。手帳ではなく「証書」と言っています。絶対に必要なものなのでしょうか?
各種の届出をするのに年金証書が必要となり、「年金証書って何? 捨ててしまったかも?」と焦っている方もいるでしょう。年金証書は、年金の受給開始前に送付される書類で、年金手帳(基礎年金番号通知書)とは異なります。 本記事では、年金証書の特徴や年金手帳との違い、紛失した場合の再交付方法について解説します。年金証書について理解を深めたい方や、手元になくて困っている方は、ぜひ参考にしてください。
年金証書とは
年金証書は、年金を受給できる権利を証明する書類であり、年金受給者の身分証明書といえます。年金証書には、以下の情報が記載されています。 ●年金の種類 ●年金証書記号番号 ●基礎年金番号 ●年金コード ●受給権者の氏名、生年月日 ●受給権を取得した年月 年金証書は、各種届け出や郵便局窓口で年金を現金で受給する際に必要になります。そのため、しっかりと保管しておくことが大切です。 ■年金証書と年金手帳の違い 年金手帳とは、基礎年金番号や年金加入記録が記載された手帳のことです。被保険者資格の取得時期に応じて、茶色、オレンジ、青色の手帳が存在します。 しかし、2022年4月以降、新たな年金手帳の発行は停止され「基礎年金番号通知書」に切り替わりました。 ●年金手帳(基礎年金番号通知書):基礎年金番号や年金加入記録が記されたもの ●年金証書:年金を受給できる権利を証明するもの ■年金証書が届く時期 年金証書は、年金請求手続きが完了してから1~2ヶ月後に、年金決定通知書と一緒に届きます。その後、さらに1~2ヶ月経過すると、年金振込通知書(年金支払通知書)が届き、年金の受給が開始されます。
年金証書をなくした場合
年金証書を紛失した場合は、再交付が可能です。「年金証書が見つからない」「誤って捨ててしまったかもしれない」といった場合には、早めに再交付申請をしましょう。 事前に再交付の手続き方法や注意点を確認しておくと、再発行までスムーズに進められます。本項では、年金証書をなくした場合の再交付申請方法と注意点について見ていきましょう。 ■再交付の申請方法 年金証書をなくした場合、必要書類を準備して再交付を申請できます。再発行の申請は、最寄りの年金事務所や年金相談センターで行えます。 申請には、「年金証書再交付申請書」が必要です。この申請書は、管轄の年金事務所・街角の年金相談センターの窓口、市区役所や町村役場の年金窓口で入手できます。また、ねんきんダイヤルに連絡して申請書を取り寄せることも可能です。 再発行手続きには、年金証書再交付申請書のほかに下記が必要となります。 ●マイナンバーが分かる書類 ●本人確認書類(運転免許証、パスポートなど) ■再交付する際の注意点 年金証書を再交付する際の主な注意点は、以下のとおりです。 ●申請書や本人確認書類が必要 ●再交付までに時間がかかる ●代理人が手続きする場合は委任状が必要 年金証書の再交付申請を行うには、年金証書再交付申請書と本人確認書類が必要です。これらの書類を準備していないと、年金事務所や年金相談センターで再交付申請ができないため注意が必要です。 また、その場で年金証書を再交付してもらえるわけではありません。再交付までには、手続きをして3~5日程度、場合によってはそれ以上の期間がかかります。さらに、本人が忙しく、親族などが代理で手続きする場合には、本人の委任状と代理人の本人確認書類が必要となります。