ポジティブすぎて「鬱になった女性」、そのモヤモヤの《本当の原因》…周囲の目線と「嫌われない自分」という評価の思わぬ落とし穴
「あの子ばっかり〇〇してずるい」 「すべて完璧にこなしているのにまったく報われない!」 【マンガ】母の再婚相手から性的虐待を受けた女性が苛まれる「罪悪感」 毎日このようなモヤモヤした思いばかりにとらわれてしまい、生きづらさを感じている人は多い…。 いつも笑顔で、身なりはもちろん家の中まで美しく、周りからは素敵な人だと評価されていたのに、なぜか突然、鬱になってパニックに陥ってしまった、前編記事<「ポジティブすぎて、鬱になった女性」の苦しみの正体…そのモヤモヤの「危険信号」はこうして見抜く>で紹介した、小島和美さん(仮名)の実例ともとに、7000人以上のモヤモヤを解決してきた人気マインドトレーナーが、感情を整理し、スッキリさわやかな自分で日々を過ごすための考え方をお伝えします。
「嫌われない自分」を守っていた和美さん
お話をうかがった私は、「和美さんは“本当の自分”がわからない」のだと気づきました。自分でも気づきにくい深層心理や本心を確認するのは、難しいものです。 それを探っていくのはとても地味なうえに、大きなエネルギーを要する営みです。かといって、人から「すごいね」と褒められるような作業でもありません。 反対に“すごい理想に向かって笑顔で頑張っている私”を見せると、たいていの人は無条件に褒めてくれたり「頑張っているね」と好意的に捉えて評価してくれたりします。 だからこそ和美さんも、未処理の感情を抱えたまま頑張りすぎてしまったので す。 和美さんがメンタルにダメージを負わせてまで頑張り続けていたのは本心からではなく、「嫌われない自分」を守るためでした。 人と接する時、表向きの自分は笑顔で感謝している和美さんですが、心の中では次のような思考で動いていたのです。 ●人から嫌われるのが怖いから、感謝する ●人から嫌われるのが嫌だから、笑顔でスルーする ●人から嫌われるのが怖いから、いいところだけを見せる ●人から嫌われるのが嫌だから、片付ける ●人から嫌われるのが怖いから、“綺麗な自分”で無理をする このような言葉を、心の中で毎日自分に投げかけているとしたらどうでしょう。頑張れば頑張るほど、思ったようにいかない現実とのギャップから自己否定の回数も重なり、ついに心が疲れてしまったのです。 和美さんいわく「笑顔で頑張っている最中も、モヤモヤした感情はずっと持っていた」そうです。鬱になった経験は「頑張り方が違うのだ」と気づける大切な出来事だったのです。 こうして自分の未処理の感情に気づけた和美さんは、すっかり元気になり、自分らしくスッキリとした気持ちで毎日を生きておられます。 私たちは人から嫌われるよりも「好かれたい」と思うものです。では、和美さんのように心を病むほど嫌われるのを恐れる人と、そうでない人は何が違うのか? それこそが、私たちの感情情報が整理されているのか、未処理かの違いなのです。 本記事の前編<「ポジティブすぎて、鬱になった女性」の苦しみの正体…そのモヤモヤの「危険信号」はこうして見抜く>はこちらからご覧いただけます。
田中 よしこ(マインドトレーナー)