キオクシア上場、初値1440円 DC向けメモリー増産へ
半導体メモリー大手キオクシアホールディングス(HD)は18日、東証プライム市場に上場した。初値は1440円で、売り出し価格1455円を下回った。初値に基づく時価総額は約7762億円。上場により資金を調達し、データセンター(DC)向け最先端メモリーの増産投資に充てる。 【関連写真】打鐘を行う早坂社長 同日行われたセレモニーには早坂伸夫社長らが登壇し記念の打鐘を行った。 当初は10月の上場を計画していたが、市況の停滞を受け見送っていた。時価総額は当初見込んでいた1兆5000億円より大幅に低いが、早期の上場を優先した。 キオクシアはストレージ機能を担うNAND型フラッシュメモリーを主に手掛ける。中国景気の回復が遅れ、スマートフォンやパソコン向けが停滞する一方、AI(人工知能)の普及に伴いDC向け需要は来年以降も拡大するとみられており、上場に踏み切った。 協業する米国メモリー大手ウエスタンデジタルとともに設備投資を進める。来年9月には北上工場(岩手県北上市)の第2工場棟が稼働を始めるなど、増産体制を整える。 同社は東芝が2017年にメモリー事業を分社化した東芝メモリーが前身。18年には米国投資ファンドのベインキャピタルを中心とする企業連合に売却された。上場に伴いベインや東芝は保有株式を一部売却する。
電波新聞社 報道本部