生還した今宮（左）を迎える小久保監督（右）（撮影・中村太一）

　就任1年目でリーグ優勝に導いたソフトバンクの小久保裕紀監督（52）の長女でタレントの小久保春菜（25）が、父との思い出を振り返り、祝福のメッセージを送った。「おめでとうございます。ここからがスタートだと思うので頑張ってください」と話した。【#OTTOホークス優勝特集】 ■ミス・アースの小久保監督・娘が祝福2ショット【写真】 　当時のダイエーが福岡移転後初優勝を飾った1999年春、長女として誕生した。「とにかく厳しいイメージでした。あまり笑顔を見せる父ではなかった」。記憶にあるのは就寝時に本の読み聞かせをしてくれたことやシーズンオフにディズニーリゾートへ出かけたこと。「私は野球に詳しくなくて、父の現役時代の印象はほとんどありません。普通の人と違う仕事をしている厳しいお父さんという感じでした」と幼少期を振り返った。 　両親の離婚で離れて住むことになったが、食事やメッセージのやりとりなど交流は続いた。陸上部に所属していた高校時代。足のけがに苦しみ、退部しようかと悩んでいた。父に相談すると、「継続することが大事。マネジャーとして支えることも選択肢だし、支える立場になったら気づくこともある」と助言を受けた。父は自身がグラウンドに立てるのも多くの人の支えがあり、常々「感謝の気持ち」を強調していた。春菜も練習をサポートする側に回り、陸上を続けた。 　その頃、父は侍ジャパンの監督を務めていた。春菜が野球と距離を縮めたのは大谷翔平（当時日本ハム）の存在があった。81マスの目標シートをつくり、夢に向かって明確化していく姿に感銘を受けた。福岡から飛行機で東京ドームまで試合観戦にいくと、強化試合で大谷が天井に消える衝撃の一打を放った。ベンチでは「ユニホーム姿を久しぶりに見ました」という父が指揮を執っていた。 　その後、小久保監督は「プレミア12」での継投失敗で世間の大バッシングにさらされた。「私が偉そうに連絡していいのか」と悩んだ末に「マイナスな経験も大きなものがある。そんなに考え込まなくていいんじゃない」とラインでメッセージを送った。かつて陸上部で壁にぶつかった時、父の助言で乗り越えられた経験があったから出た言葉だった。数年後、父から「あの時の春菜の言葉に感謝している」と伝えられた。 　神奈川県内の大学に進学すると、「人に影響を与えられる人物になりたい」と現在の道に通じる目標が明確になった。東京ドームでアテンドの仕事をしていると、野球の魅力を再確認する出来事があった。「野球を楽しみに毎日の仕事を頑張っている人がたくさんいた。ファンの人たちの顔を見ていると、父も感動を与えていたんだなと。私もそういう生き方をしたい」。ジムに通い、インスタグラムでの発信にも力を入れた。友人から「春菜が頑張っているから私も頑張ろうと思う」というコメントも届いた。身長170センチの長身も生かし、ミスコンテストにも出場した。