今こそ公選法のアップデートを!ポスターサイズ規定廃止や選挙公報義務化を盛り込んだ提言の狙いを未来政経研究所にインタビュー
【未来政経研究所がまとめた「選挙公営制度に関する提言」の概要】
1.ポスター掲示場に関する改正 (1)ポスター掲示場スペースの販売・譲渡禁止 ポスター掲示場のスペースを寄付行為含め実質的に販売・譲渡することを禁止すべきである。 (2)選挙管理委員会(選管)によるポスターの事前審査・一括掲示 候補者や政党が特定される内容が記載されているか、選挙の当選を目的とする内容であるかを選管が事前審査において確認したうえでポスターを一括掲示すべきである(公職選挙法第235条の3の適用)。 (3)ポスターの電子提出とサイズ規定の削除 ポスター枠不足の問題を解消するためには、ポスターを電子的に提出することを求め、立候補者数に応じてポスターのサイズを縮小・拡大できる運用にするべきである。そのためにポスターサイズの規定を無くすべきである。 (4)立候補届出期間の前倒し 告示・公示より前に、事前審査と合わせて公営ポスター掲示板に掲載を希望する候補予定者のポスターを回収する期限を設定し、選管による一律でのポスター貼り付けが行われるように変更するべきである。 (5)ポスター掲示場設置場所の見直し 現状では公職選挙法144条の2の2項において、投票区につきポスター掲示場は5ヵ所以上10ヵ所以内と定められているが、投票所や役所などの公共施設、人が集まる駅周辺などに限定し費用対効果を高めるべきである。 2.選挙公報の充実 (1)選挙公報発行の義務化 地方自治体の首長選挙、議会議員選挙では、公職選挙法上、選挙公報の発行は必須でなく、各自治体の条例に委ねている。有権者が候補者を比較検討するという観点から選挙公報の役割は極めて重要であり、ポスター掲示場と同様に選挙公報の発行を公職選挙法において明記し、地方選挙においても義務化すべきである。 (2)寸法の統一 前述の地方選挙における選挙公報の寸法は自治体ごとに定められる条例に委ねているため、寸法にばらつきが生じている。選挙公報における各候補者の寸法を統一し、十分なスペースを確保するべきである。 3.政見放送の見直し 政見放送は、オンラインの特設サイトでの配信を基本として、インターネット環境がない有権者や不慣れな有権者には代替措置を講じるなど、そのあり方を見直すべきである。 4.選挙期間中におけるインターネット上収益の無効化 当選を目的とせずに、SNSやプラットフォームから得られる収益を目的に立候補する候補者が増えていることを踏まえ、選挙期間中に行われた選挙活動に関わるインターネット上の収益を無効化するべきである。 5.選挙運動用ビラ(証紙ビラ)・選挙運動用通常葉書(公選はがき)枚数の人口比例化 証紙ビラおよび公選はがきの枚数は、各級選挙ごとに一律に定めれているが、有権者数に応じて比例的に決めるべきである。 6.若年層の政治参画の促進 (1)被選挙権年齢について 被選挙権年齢について、選挙権年齢と同じく18歳への引き下げを検討するべきである。 (2)供託金の額の弾力化 供託金の額を一律ではなく、候補者の年齢に応じて弾力的に設定するべきである。