【証言・北方領土】歯舞群島 水晶島・元島民 柏原榮さん(3)
領土不拡大の原則は「両国にとって理」
だけれども、世界にはやっぱり正論を主張していく国際社会の一員として、ロシアは立つためには、やっぱりそういう法の精神、法の支配に基づいたことを実行して初めて国際人としては、私は胸を張れるとロシアを思ってるわけですから、早くそういう国民、国になってほしいっていう願いを込めて、この領土不拡大の原則っちゅうかね、これ両国にとって理なんですよ、そういう点では。向こうは、いや、おらの理は今、主張してることだと思うかもしれんけど、国際的に見たら、それは大きなマイナス、国際人としての資質が問われるという、そういう運命をしょっていくのかどうかっていう、そういうことを常に思っています。 ―日露首脳が会談する。 やっぱり国際、外交っていうのはさ、我々が、何ちゅうか、直接、関与っていうのはできないのね、世論を形成するという面でしかできないです。そういうことですけれども、外交は、私の思いっちゅうのは、相手の国が、どう考えているかということを見極める必要があると思うんですよね。 そこだけにピント合わせれば、今ロシアが主張してることは、国内的な事情、これは大きく油の問題で、石油の問題で、やっぱり死活問題とはいえないけれども、それに近い、これからロシアが発展しようとする一つの動脈みたいなもんですからね、どうしても経済を中心にして、日本の技術を手に入れたい、協力してほしいという、この願いはですね、もう向こうはすごいと思うんです。 そういう中、それが1本ですね。それから、これは一つ牽制だと思うんですけれども、領土問題は取引の条件にはしない。12月15日もその話はしないというプーチン巻きの連中が言っている。きのうかおとついの新聞でも、ロシアのプーチンの閣僚なんかはですね、はっきりそういうことを、牽制でしょうけれども、牽制球を投げているというかね、取引の材料にはしないっちゅうことを言ってるんですけどもね。それは相手の考え方です。 日本は、この経済的な交流、支援、交流を通して、そして、何ちゅうかな、相手に信頼関係っちゅうかね、相手の国民にも信頼関係をつくっていく中で、この領土問題をですね、まず最初に、話し合いができる状態をまずつくるっていうかね、そういう点では、まず2島を起点にしながら、安倍さんの心の中では、島民の思いを実現させていきたいというふうなね、そういう、何ちゅうが意思が、私あるように思うんですわね。