グリーリッシュ、チルウェルら不在の左サイドに浮かび上がる不安要素 英紙が指摘するイングランド代表のアンバランスさ
優勝候補の懸念点
ドイツの快勝でスタートしたEURO2024。前回大会準優勝で、今大会では優勝候補筆頭に挙げられているイングランド代表はセルビアとの初戦で登場する。 英『The Athletic』はガレス・サウスゲイト監督率いるスリーライオンズにおけるいくつかの懸念点を指摘し、アンバランスなチームであると主張している。 その一つが左サイドでプレイする選手の少なさだ。前線でいえば、アンソニー・ゴードン、フィル・フォーデン、エベレチ・エゼ、コール・パルマーがこのポジションでプレイできるが、実質的な本職はゴードンのみ。フォーデン、パルマーは中央、もしくは右サイドからの攻略を得意としており、エゼはサイドに張らず、ハーフスペースにポジションを取ることが多い。 最終ラインでもこの現象が起きている。3月の2試合の親善試合では左SBとして先発したベン・チルウェルが本戦ではメンバーから外れ、直近2試合で同ポジションで起用されたキーラン・トリッピアーは所属するニューカッスルでは右SBとしてシーズンを過ごした。本職のルーク・ショーは今季も負傷に悩まされ、マンチェスター・ユナイテッドでは34試合を欠場した。ジョー・ゴメスはリヴァプールでサイドを任されるユーティリティ性を発揮したが、サウスゲイト監督はオプションとして考えているのだろうか。 この左サイドのアンバランスさは大会を通してイングランドを苦しめることになるだろう。ゴードンとショーを同時に起用することができれば、ゴードンの後ろをショーがオーバーラップするシーンが容易に想像できるが、他の組み合わせは読めない点が多い。 ジャック・グリーリッシュやマーカス・ラッシュフォード、チルウェルといった本戦から外れたメンバーには左サイドを主戦場とする選手が多く、彼らの不在がどのように響くことになるのだろうか。セルビア戦ではこのアンバランスさの解決をサウスゲイト監督に期待したい。
構成/ザ・ワールド編集部