現役復帰即“日本代表入り”の吉田亜沙美が見据えるパリ五輪予選「今の自分ができることを」
■「バランスを考えながら試合に出ないといけない」
パリ2024オリンピックの出場権を懸けた「FIBA女子オリンピック世界最終予選(OQT)」(2月8日~11日/ハンガリー)に挑む女子日本代表が1月26日に公開練習を行なった。 練習後、「しんどいですよ(笑)」と冗談まじりに語ったのはチーム最年長36歳の吉田亜沙美(アイシンウィングス)。 ただ、今シーズンより現役復帰を果たした吉田は、復帰間もない頃は出場時間が短かったものの、12月の皇后杯・準々決勝では約12分、そして1月3日のWリーグの試合では約17分の出場。試合を重ねるごとにコンディションを上げ、それに伴いプレータイムも伸ばしてきた。もちろん、公開練習でも本人の言葉とは裏腹に「しんどい」と感じさせないほどのキレのある動きを見せている。 「1月2、3日のWリーグの試合、特に2戦目は結構試合に出られましたし、そのときも(試合中に)きついと思った時間もあったけれど、終わったときに『あ、こんなに出てたんだ』という感覚がありました。徐々に出場時間は増えていますね」と、吉田自身もコンディションに関しては一定の手応えを感じている様子。一方で「でも日本代表だと、よりディフェンスもタフになるし、接触のところも含めて、今は男子大学生が一緒に練習してくれていますが、そこでの体力はまだまだ。ゲーム形式の練習では疲れてきたときにパスが弱くなっていると感じています」と、当面の課題も挙げた。 「自分がやるときと他の選手がやるときとのバランスを考えながら試合に出ないといけないと思っています。それは、大事なところでミスを起こしてしまうようなことを絶対にしたくないから」と語る吉田は、だからこそ、先に挙げたパスの強度など細かいところをさらに突き詰めたいと考えているのだろう。 体力や筋力といった点ではむろん全盛期とは異なる。だが、吉田にはキャリアがあり、戦況を読む力や優れた状況判断、さらには流れを一気に引き寄せるパスやシュートなども持ち合わせる。それは1月14日に高崎アリーナで行われた紅白戦でも実証済だ。