夢の大型化へブレイクスルー!量子コンピューターの本命「中性冷却原子型」で困難だった「誤り訂正」の弱点克服 京大研究グループ
京大研究グループの「誤り訂正」新手法
そうした中、京都大学量子光学研究室博士課程の中村勇真氏、高橋義朗教授らの研究グループが新たな領域を、その手につかんだ。「中性冷却原子型」では光ピンセットで原子を配列していくと先に説明したが、2種類の原子をつかって配列する手法をあみだした。 2種類あれば、1種類を量子ビットとして、別の種類を補助量子ビットとして、使い分けることができる。 従来の1種類だけの配列だと、計算に使われている量子ビットで「量子誤り訂正」を行わなければならず、読み出しの忠実度があがらなかったが、量子ビットに影響を与えることなく補助量子ビットの読み出しが可能になったことで、読み出し忠実度が格段に高まることが実証された。 研究グループでは、2025年にもフルスケールの「中性冷却原子型」量子コンピューターの開発をスタートする予定だ。 (執筆:フジテレビ社会部 大塚隆広)
大塚隆広