「やれる限りずっと続けていきたい」稲垣吾郎がベートーヴェンを演じる舞台「No.9」が100回目の上演
俳優の稲垣吾郎が主演を務める舞台「No.9-不滅の旋律-」が12月24日、東京国際フォーラム ホールCで100回目の上演を迎えた。 同作は天才作曲家ベートーヴェンの半生を描いたもので、2015年に初演され、12月21日から4度目の上演がスタートしている。今年は「第九」の初演から200年という節目の年だ。 この日は上演前にベートヴェンを演じる稲垣、ベートーヴェンの秘書マリアを演じる剛力彩芽、演出の白井晃氏が囲み取材を行った。 稲垣は「初日が明けて今日が3日目。そして今日で100回目を迎える。本当にスイッチが入ってきています。あ、今、入っていたら遅いのか(笑)。いっぱいお客さんにも来ていただいているので、毎日幸せをかみしめながらベートーヴェンを大切に演じています」と挨拶。 今回は2020年以来4年ぶり4回目のベートーヴェン役なのだが「ベートーヴェンスイッチのリモコンがオフになっていても主電源は切れていない感じで、常にベートーヴェンの火種のようなものは自分の中にある。そういう感覚なので、今回もよみがえっている感覚」と現在の心境を表現した。 剛力は3度目のマリア役に「またマリアとしてベートーヴェンの隣に立たせてもらえるのは本当にうれしいこと。そして第九という素敵な音楽とともに皆さんと過ごせることはうれしいことだなと感じています」と語った。
稲垣のベートヴェンについては「いい意味でずっとベートーヴェン。変わっていないといえば変わってない。出会った時からベートーヴェン(笑)。本当にベートーヴェンそのもの」とのこと。これに稲垣は「剛力さんからは深い愛を、母性を感じています。初演の頃から目覚ましい成長で素晴らしい。頼もしい。お母さんみたい」と返した。 白井氏は「4回目で吾郎さんのベートーヴェンには深みと重みと落ち着きも感じる。とても重厚さが増してこられたなというのが実感。剛力さんのマリアは永遠のマリア。マリアそのものという感じで、変わらずマリア。2人の演技には長年やってきた信頼も感じるし、そういった意味の落ち着きを感じている」などと2人について語った。 また稲垣は「前回や前々回の成功体験をなぞる形では良くないと思っている。マンネリ化してしまう。何度も見てくださっているお客さんもいるので、全く新しいものを一から。新しく参加されたキャストの方もスタッフの方もいるので、すべて壊して一から新しいものを作るという感覚でやってきた」と4回目の舞台に対する取り組みを口にした。 稲垣の代表作ともいえる作品になっているのだが「そういっていただけるとうれしい。僕にとっても大切な作品ですし。本当にベートーヴェンは僕と真逆の人間なので、そういうものをもう一つの人格として自分の中に持っておくというのは面白い。なにか不思議な感覚。もしかしたら違う環境で今まで生きてきたら、ベートーヴェンみたいな人格に自分もなったかもしれない。そういう資質があるのかなと思う」と語る。