湊川神社で楠木正成について学びおみくじ中吉の意外な内容に崩れ落ちる【関西おみくじジャーニー/兵庫県神戸市】
今年は夏が長かった……。もう秋はこないんじゃないか。そう心配したけれど、やはり巡るよ、季節は巡る。涼しい風が吹いてきた10月末の某日、私は調子に乗り、神戸三宮駅から歩いて湊川神社へ向かうことにした。 ■【画像】湊川神社で楠木正成を学びおみくじを引いた後でほーんの少しだけ見えた青空 グーグルマップを見ると「徒歩27分」。楽勝楽勝、商店街や高架下の店を楽しんで歩きゃ、すぐよ、すぐ。 そう思っていたのに、元町あたりで尿意を覚え、さらに巻き爪が痛み出し、西元町でなんだか気持ちが悪くなり、ヨロヨロしながら定食屋に滑り込む羽目に……。 サバの味噌煮定食をかっ喰らいながら思う。昔なら休憩せずさっさと歩けたのに。ああ、こんなことなら最寄駅から素直に歩けばよかった。皆さん、湊川神社は、JR神戸線「神戸駅」、市営地下鉄 山手線「大倉山駅」、市営地下鉄 海岸線「ハーバーランド駅」から徒歩5分、阪急・阪神・山陽各電車「高速神戸駅」なら東改札を出たら、すぐ正門が見えますよ!
■とても上品でおしゃれな御社殿にびっくり
湊川神社に着き空を見上げると、何やら落っこちてきそうな曇天である(泣)。まあいい。それもまた風流といえば風流。 しかし湊川神社って、美しいのね。さすが神戸、佇まいがオシャレである。緑が豊かで、鳥居も大きくシュッとしている。御社殿なんて、クリーム色の外観から、ハイソサエティかつエレガントさを感じるではないか。イメージで言うと、山の手のお嬢さまっぽい。 山の手のお嬢さまっぽいイメージと言ってしまったが、主祭神はバリバリの武将、南北朝時代に活躍した楠木正成公である。ご利益も、正成公の御盛徳に由縁した、除災招福・開運厄除・家内安全・情報業、流通業繁栄・夫婦円満。神戸っ子には「なんこうさん」と親しまれ、正月には全国から100万人が訪れるのだとか。 湊川神社の公式サイトを読むと、楠木正成は、智・仁・勇の三徳を備え聖人と仰がれたほどの名将だったという。「そんな偉い人だったのか」と驚いてしまった。知らなかった……! 興味が湧いて、神社のベンチに座り正成公についてググる。なになに、幕府を打ち倒そうとする後醍醐天皇が、ある日こんな夢を見たところから始まる。 二人の童子が南向きに枝が伸びた大きな木の下の玉座を指し、「後醍醐天皇のための席だ」と告げたというもの。 天皇はこの夢から、「南」にある「木」=楠(くすのき)。楠木こそ、わが力になる人物の名だ、と悟り、楠木正成を家臣に取り立てるのである。 後醍醐天皇に取り立てられた楠木正成は忠義を尽くす。 しかし、後醍醐天皇が進めた政策に不満を抱えていた男がいた。足利尊氏である。彼は反旗を翻し、ついに戦いが始まってしまう。そして、楠木正成は延元元年(1336)、湊川の戦いにて足利軍に破れ、自刃してしまうのだった。