外れ1位一番人気のオコエの1本釣りはあり?なし?
いよいよ運命のドラフト会議が迫ってきた。水面下でギリギリまで各球団の駆け引きが行われるが、あるスカウトは、「当日の朝まで決まらない。最後まで他球団の出方を見たい」と言った。 1位指名を公表、あるいは、責任者が公言したのは、楽天の平沢大河・遊撃手(仙台育英)、ヤクルトの高山俊・外野手(明大)、オリックスの吉田正尚・外野手(青学大)、西武の多和田真三郎・投手(富士大)、中日の高橋純平・投手(県岐阜商)の5球団。最速152キロを誇る大型右腕の高橋には、中日以外にも阪神、ソフトバンク、日ハムの4球団の競合が予想され、夏の甲子園の優勝左腕、小笠原慎之介(東海大相模)、即戦力の声が高い左腕、今永昇太(駒大)、異色の豪腕、熊原健人(仙台大)らについても競合の可能性がある。 競合覚悟でクジ引きに賭けるチームは、単独1位指名のない選手のリストから、外れ1位を用意しておかねばらない。そこでクローズアップされているのが、イチローを超える快足で夏の甲子園で衝撃を与えたオコエ瑠偉・外野手(関東第一)の存在だ。ロッテ、阪神、中日、日ハムが、外れ1位候補にリストアップするなど外れ1位候補としては一番人気。 オコエのスケールは、まさに何十年に一人の逸材に間違いないが、バッティングを含めた総合力で判断すれば時間がかかると見られている点が、外れ1位の評価に落ち着いている理由。差し迫って即戦力投手を補強したい球団も、オコエの単独1位には踏み切れない。 だが、スカウトの間では「もしクジで外れた場合、取れるのは実質3位くらいの選手になってしまう。それならば競合を避けて単独で勝負する手もある」という声もある。蓋をあけてみれば、1位指名を公表しなかった球団が、競合を回避して無風ドラフトとなる可能性さえあるのだ。そうなると、驚異の身体能力に加え、話題性や人気というプラスアルファを持ったオコエを、単独1位指名してくる球団が公表していない7球団の中から出てきても不思議ではない。高校生野手を回避する方向の巨人、広島、横浜DeNAは消せるので、可能性があるのは阪神、日ハム、ソフトバンク、ロッテの4球団に絞られる。