準天頂軌道衛星「みちびき」本格運用で、どんなサービスに応用される?
準天頂軌道衛星「みちびき4号機」の打ち上げが10日に予定されています。打ち上げが成功すれば、2018年度からは4機体制で測位システムの本格的運用が始まります。誤差数センチという高精度で安定した位置情報が得らるこのシステム。どのようなサービスに応用が期待されているのでしょうか。
アウトドアに広がる大きな期待
家電製品では、すでに「みちびき」の電波に対応する機種が多数登場しています。 GPS機器メーカーのガーミンは、日本向けに販売する登山やトレイルランニング、水泳などスポーツ・アウトドア用ウォッチの全22機種のほか、ハンディーGPSの8機種が「みちびき」対応です。同社は「登山時のケガなどで救助を要請する場合、都会のように分かりやすい目印がない場所であっても、『みちびき』によって得られた誤差の少ない位置情報を伝えられるので、早期救助につながる可能性もあります」と強調します。
キヤノンは、「EOS-1D X Mark II」などプロ・ハイアマチュア向けデジタル一眼レフカメラ4機種で「みちびき」に対応しています。広報によると、「測位機能は、旅行やハイキングの途中で撮影した場所を、地図と写真を見ながら振り返ることができることに加え、特に報道系や調査などでは画像や映像に高精度の位置情報も欲しいとのニーズがあるため、搭載しています」として上位機種で対応する理由を説明。 オリンパスは、「できるだけ精度の高い位置情報を持ち帰りたいというのは当然の心理」と指摘します。防水・防じん性能などを高めた堅牢なアウトドア向けコンパクトデジタルカメラ「Tough(タフ)シリーズ」の2機種が「みちびき」に対応しており、「ダイビングでも、たとえばジンベイザメを撮影したポイントの位置がわかれば、素敵ではないでしょうか」と同社広報。
カシオ計算機が4月に発売したスマートウォッチ「WSD-F20」も「みちびき」に対応。登山やスキー、カヌーなどアウトドア向け製品であり、同社広報部は「アウトドアにおいて、今どこにいるのかという情報は極めて重要。山間部でも高精度で安定して測位できる」と期待します。 現在、「みちびき」ではセンチメートル級の高精度測位のための情報提供サービスが試験的に行われており、2018年度には本格的に開始される予定となっています。