ストラテジストは円一段安を警戒、日銀利上げ3月以降の見方浮上
日銀の植田和男総裁も11月のインタビューで、トランプ次期政権の政策や経済への影響などを見極めると述べた。3月は国内で予算審議が行われ、日銀が注視する春闘の回答が出そろう。このため、ニッセイアセットマネジメント戦略運用部の三浦英一郎専門部長は「利上げは展望リポートが発表される4月会合以降」と読む。円は日米金利差を意識した売り圧力にさらされ続ける可能性がある。
一方、SMBC日興証券の奥村任シニア金利ストラテジストは、日銀が目標とする2%インフレの定着を高めるデータが増えていることを挙げ、「ビハインド・ザ・カーブのリスクを減じる面があるなら、利上げが1月よりも後ろ倒しされることにはならない」と語った。
ブルームバーグが5-10日にエコノミスト52人を対象に実施した調査によると、日銀が現在0.25%程度の政策金利を引き上げる時期は来年1月との見方が52%と最も多く、今月18、19日の会合が44%と続く。年内の利上げ観測も依然くすぶっている。
来年1月の日銀利上げを5割超が予想、12月とほぼ二分-サーベイ
--取材協力:酒井大輔、山中英典、日高正裕.
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Saburo Funabiki, Mia Glass