阪神・才木 ファン投票1位感謝の7回1安打0封 先発部門で初選出「積み重ねで今がある」
「広島0-3阪神」(2日、マツダスタジアム) 雨上がりのジメジメとした空気を快投で吹き飛ばした。白星こそつかなかったが、阪神・才木が7回1安打無失点。「真っすぐの感じが微妙だった。スライダー、フォークを使いながらいけたんで良かった」。首位の広島相手に点を許すどころか、安打すらなかなか打たせなかった。 【写真】岡田監督が激おこ!審判に抗議しながらラフプレーの広島ベンチをにらみつける 二回は思わぬ形でピンチを招いた。「意味わからんところにボールを投げちゃった」。先頭・小園をボテボテのゴロに打ち取ったが、一塁へ悪送球。無死三塁となった。坂倉を迎えると内野は定位置。「正直1点は覚悟しましたけど」。腹はくくったが三邪飛に仕留めた。菊池を投ゴロ、矢野も二直に抑えて右拳を握り締めた。 五回まではノーヒットノーラン。六回先頭の会沢に右前打を浴びて、偉業達成はお預けとなったが、続く森下のバントには好フィールディングで二塁をアウトに。「梅野さんがセカンドって叫んでたんで、いけるんかと思いながらいきました」。二回のミスを引きずらなかった。 広島打線とは今季初対戦。昨季も1度だけの登板だった。マツダスタジアムのマウンドは22年9月23日以来2年ぶり。独特の雰囲気と赤一色の応援にも全く動じなかった。八回に代打を送られて交代。キャリアハイの9勝目はお預けとなったが役割は果たした。 オールスターのファン投票結果が発表され、先発部門で初選出された。20年オフにはトミー・ジョン手術の影響で育成契約となるなど、ここまでは順風満帆だったわけではない。「オールスターを目標にしてたわけではないですけど、積み重ねで今がある。野球ができることに感謝して投げられればいいかな」。投げられる喜び。野球を楽しむことが根底にある。 登板日が日曜日から火曜日に変わって、これで2試合目。曜日別で最も勝ち星が少ない“魔の火曜日”で勝つことができた。「こういう投球を続けてできたらいいかなと思います」。サンデー才木からMr・Tuesdayへ。白星はつかなくても快進撃は止まらない。