ポルシェ963、LMDh初の“ジョーカー”導入を確認。「サスペンションに反映」すでに追加使用も予定
ポルシェは、FIA世界耐久選手権とIMSAウェザーテックスポーツカー選手権で使用しているプロトタイプマシンの963に対し、2025年シーズン内に2度目のアップデートを行うためのテストを行った事を明かした。 【写真】2024年WEC世界耐久選手権をリードしている6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ) このことから遡及的に同ブランドは、ホモロゲーション期間中に許可されている5つのうち最初の“ジョーカー”を使用していたことが初めて確認された。 今季はすでにIMSAのGTPクラスのタイトルを獲得しているポルシェは、2025シーズンの開始までにふたつ目のジョーカーを使用する予定であり、アップデートへ向けた事前テストをすでに行った模様だ。 WEC最終戦が行われるバーレーン・インターナショナル・サーキットにて、sportscar365のインタビューに対し、ポルシェLMDhファクトリーディレクターのウルス・クラトルは、このマシンが今後数シーズンにわたってフロントサスペンションのアップグレードを進めていく予定であることを明かした。 「我々は2025シーズンへ向け、すでにいくつかのコンポーネントをテストした」 「現在は統括団体と協議中で、書面による確認を待っている段階だ。IMSAの公式テストでは、その前に最終確認を得てこのアップデートを行う」 「これらのアップデートは、サスペンションの一部に反映予定で、ジョーカーも確かに使用することになる」 クラトルは同時に、2024年のデイトナ24時間レースでポルシェ963に初導入された今年の車体アップデートもジョーカーの導入にカウントされており、その内容について次のように明かす。 「フロントサスペンションに関連するセンサーのアップデートがあり、これはジョーカーの使用にカウントされた。例えば、フロントブレーキの圧力センサーに関連するものなどだ」 ■ふたつ目のジョーカーは「IMSA公式テストで導入」 さらに同氏は、今月のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでのIMSA公式テストで、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツのファクトリー車とJDCミラー・モータースポーツのカスタマーカーの両方に装備されるアップデートについて、クルマの進化における「さらなるステップ」であると説明する。 「来シーズンへ向けたアップデートは、ハードウェアのマウントポイントに関連するものであり、多くの部品がその対象となっている」 「それは、セットアップウインドウの拡大が主な目的となっていて、とくに自分たちにとって例外的なサーキットであったカタールなどで有効だろう」 「このアップデートでエンジニアは、セットアップを調整するためのマウント位置の選択肢を増やすことができる」 新導入予定のフロントサスペンションは、IMSA第11戦『モチュール・プチ・ル・マン』の前のテストで初めてテストされており、IMSAとACOの規則により、1月の2025シーズン開幕戦デイトナ24時間から、世界中で競争するすべてのポルシェ963に装備される必要がある。 「コンポーネントをカスタマーに届ける必要があり、顧客もそれを望んでいるため、これらの部品は確実に製造を進めていかなければならない」とクラトルは付け加える。 「JDCミラー・モータースポーツは、今年も公式テストに参加する予定で、これらの部品の装着についても事前に確認している」 「書面による確認を待ってから部品を製造および発送して、それぞれテストを開始する。なにか問題が起こらない限り、IMSA公式テストではマシンに導入されることだろう」 [オートスポーツweb 2024年11月01日]