巨人・阿部監督「やっぱり去年のチャンピオンチームだなって。終盤の粘りはすごい」阪神にサヨナラ負け
◆JERA セ・リーグ 阪神2×―1巨人=延長10回=(18日・甲子園) 巨人が今季2度目のサヨナラ負けで阪神に連敗した。同点の延長10回からマウンドに上がった大勢投手(24)が無死満塁とされ、佐藤輝に右前にサヨナラ打を浴びた。先発の菅野智之投手(34)が1点リードの8回1死一、二塁で森下に同点適時打を許した。開幕21イニング目の初失点で8回途中1失点の粘投も3戦3勝を逃した。打線は2回に小林の適時打で先行も計5安打で1点のみ。昨季3勝10敗と負け越した甲子園で今季初勝利を奪えなかった。 * * * 痛烈な打球が一、二塁間を抜けた瞬間、地鳴りのような大歓声が響いた。同点の10回無死満塁。大勢が佐藤輝に右前適時打を浴びてサヨナラ負け。阿部監督は三塁ベンチからすぐに引き揚げず、歓喜の阪神ナインをじっと見つめて目に焼きつけた。無死二、三塁から大山を申告敬遠し塁を埋め、最善を尽くしたが及ばず、連敗で今カードは2敗1分け。今季の甲子園初勝利はお預けとなった。 「全然、今日の負けも…この甲子園、全然負けた気がしないんだけどね。けど結果的にね。やっぱり去年のチャンピオンチームだなって。終盤の粘りはすごいなと思いながら見ていたんで。ウチもああいうことができるように、やっていけたらと思います」 1―0の8回。7回まで100球で無失点の菅野を「あそこまで抑えていたからね。あの回(8回)はいってもらおうと決めてたんで、最初からね」と、続投させた。1失点して追いつかれたが、イニング途中でリリーフした西舘が勝ち越しを阻止。1点を争う接戦で昨年の日本一チームの底力を見せつけられた。 対阪神は昨年、6勝18敗1分け。特に甲子園では3勝10敗と惨敗した。ヘッドコーチとして「当たり前のことを当たり前にやる」とその強さを感じた阿部監督は、昨秋の就任直後から「一番挑戦したいチーム」と対抗心を向きだしにしていた。2月のキャンプ中には早くも阪神対策のミーティングを実施。スコアラーのデータをもとに「阪神と巨人の違い」というテーマで選手と打倒・虎への思いを高めた。 開幕カードは東京Dで2勝1敗。6連勝中といい雰囲気で臨んだ今回の甲子園3連戦は初戦が1―1で10回表、雷雨によるコールド引き分け。17日が0―2で完封負け。第3戦が延長10回1―2のサヨナラ負けといずれもロースコアだった。「いつも紙一重だな」と勝ちきれなかったが、バントや機動力を駆使する攻撃、敵地で投手陣が見せた強気の投球など、巨人が変わったと印象づける収穫はあった。 坂本を「体調も考慮して外した」と3試合ぶり今季2度目のベンチスタートとし、泉口を三塁でスタメン起用した。「勝負は8月、9月」と先を見据え、どっしり地に足をつけて采配。まだ慌てる時期ではない。 9勝7敗1分けで貯金2となった。阿部監督は「みんな必死でやっているし形も作れている。ここをみんなで我慢してやっていけば。明日、明日だよ」と前を向いた。昨年の上位2チームとのビジター6連戦。甲子園で得た教訓を胸に刻み、19日から敵地マツダで広島に挑む。 (片岡 優帆)
報知新聞社