最優秀GKに贈られるヤシン・トロフィー、昨季受賞のE・マルティネスら10名がノミネート
フランスのサッカー専門誌『フランス・フットボール』は4日、2024年のヤシン・トロフィー候補者10名を発表した。 ヤシン・トロフィーとは、GK版のバロンドールで、2019年に新設された。GKとして唯一バロンドールを受賞したことのある元ソビエト連邦代表(※当時)GK故レフ・ヤシン氏にちなんだ名称となっている。初代受賞者はリヴァプール所属のブラジル代表GKのアリソン。昨年は、アルゼンチン代表の“守護神”としてFIFAワールドカップカタール2022制覇に貢献したアストン・ヴィラ所属のGKエミリアーノ・マルティネスが初受賞していた。 なお、、評価期間はバロンドールと同様で、今年の賞は2023年8月から2024年7月までが対象。つまり、欧州の主要リーグの2023-24シーズンに加えて、今夏に開催されたEURO2024やコパ・アメリカ2024などナショナルチームの大会も含まれる。 今回、昨年の受賞者であるE・マルティネスら10名の候補者が発表。E・マルティネスは昨季、アストン・ヴィラで公式戦47試合のゴールマウスを守り、クラブにとって41年ぶりのチャンピオンズリーグ(CL)本大会出場権獲得に大きく貢献。アルゼンチン代表としても、コパ・アメリカ2024の全試合に出場し、準々決勝のエクアドル代表戦では合計3本のPKをストップするなど大活躍。大会連覇の原動力となった。 2021年のヤシン・トロフィー受賞者でもあるパリ・サンジェルマン所属のイタリア代表GKジャンルイジ・ドンナルンマもリスト入り。ドンナルンマはPSGの国内2冠に貢献しただけでなく、EURO2024でも圧巻のパフォーマンスを見せていた。そのEURO2024で頂点に立ったスペイン代表の“守護神”、アスレティック・ビルバオ所属のGKウナイ・シモンも名を連ねている。 また、スイス代表からは2名のGKがノミネート。インテルに所属し、代表の正GKでもあるヤン・ゾマー、ドルトムントでCL決勝のゴールマウスを守りながら、代表ではゾマーの後塵を拝するGKグレゴール・コベルの2名が入った。他にも、レアル・マドリードでベルギー代表GKティボー・クルトワ不在の穴を埋めたウクライナ代表GKアンドリー・ルニン、今やミランだけでなくフランス代表でも欠かせない存在となったGKマイク・メニャンらが選出。ラ・リーガ屈指の“守護神”と謳われ、来夏のリヴァプール入りが内定しているバレンシア所属のGKギオルギ・ママルダシュヴィリ、ポルトでもポルトガル代表でも安定したパフォーマンスを見せるGKディオゴ・コスタが選ばれた。 今回、最も大きな“サプライズ”となったのは、マメロディ・サンダウンズ所属の南アフリカ代表GKロンウェン・ウィリアムズだ。ウィリアムズは今年1月から2月にかけて開催されたアフリカネイションズカップ2023において、キャプテンとして全7試合に出場。準々決勝のカーボベルデ代表戦で4人、3位決定戦のコンゴ民主共和国代表戦では2人のPKを止めるなど、“PKストッパー”として名を馳せ、母国の12大会ぶりとなる3位入りに貢献。自身も大会最優秀GKに輝き、今回はヨーロッパ外のクラブに所属するGKとして唯一の選出となった。