「ワイド節」記念碑はここ! 奄美大島・今里小の児童ら案内看板制作
鹿児島県奄美大島の大和村出身の中村民郎氏が作詞した、徳之島の闘牛がモチーフの新民謡「ワイド節」の記念碑を紹介しようと14日、同村の今里小学校(中村利之校長、児童5人)児童らが案内看板を制作した。記念碑は集落内の中村氏の生家跡地にあり、昨年3月に村が設置。児童と職員は協力して、闘牛を描いた手作りの看板を完成させた。
ワイド節は、1978年に中村氏が作詞、唄者の坪山豊氏が作曲した。中村氏は当時、旧名瀬市(現奄美市名瀬)の国立療養所「奄美和光園」にレントゲン技師として勤務しており、故郷を思う徳之島出身の入所者から「闘牛の歌をつくってほしい」との依頼を受け歌詞を手掛けた。 今里小では、児童らが郷土学習でワイド節を練習したり、曲の誕生秘話を劇にしたりと日ごろから学びを深めている。 14日は大和中で美術科を担当する臨時職員の高橋正夫さん(74)が看板の制作を指導。縦横1メートルのアクリル板に闘牛の絵や「中村タミロー」「ワイド」の文字などを施した。スプレーを使い、頭突きを繰り出す荒々しい闘牛の毛並みも表現した。 5年生男児(11)は「スプレーで(絵の)縁の部分を描くときに気を付けて色を塗った。ワイド節は元気で明るいところが好き」と笑顔で話した。 看板は生家跡地のブロック塀に設置予定。中村校長(61)は「ハンセン病患者の思いを汲み取って歌をつくった地域の先輩がいたことを、児童たちが次の世代にも伝えていってくれたら」と期待した。