林芽亜里、18歳で26歳の妻役「私も26!?って笑」 俳優デビュー3作目で異色恋愛ドラマのヒロイン
林芽亜里が、MBSドラマ特区枠で放送のドラマ『初めましてこんにちは、離婚してください』(11月7日から順次放送スタート)でヒロイン・結城莉央を演じる。大人気コミックの実写ドラマ化。16歳という若さで政略結婚したヒロインが、10年越しに会った“初対面の夫”に離婚宣言も…。すぐに「離婚したい」妻と「離婚しない」夫との恋愛攻防戦が描かれる。林が演じるのはそのヒロインで、京都で千年以上の歴史がある、旧家の令嬢・結城莉央役。夫役の犬飼貴丈とのW主演となる。林はファッション誌などモデルとして人気を集める。俳優としては今年1月期のドラマ『先生さようなら』がデビュー作で、本作は3作目。ドラマ特区と言えば一筋縄ではいかない恋愛物語の傾向が強く演技力が試される。その作品に、しかも現在18歳の彼女が26歳のキャラクターに抜擢されたのは期待度の高さがうかがえる。彼女自身はどのような思いで臨んだのか。【取材=木村武雄/撮影=村上順一】 【動画】舞台挨拶で顔急接近シーンを振り返る林芽亜里と犬飼貴丈 ■芝居への目覚め ――正直、今回の出演を聞いてびっくりしました。 ありがたい限りでございます。『愛人転生 -サレ妻は死んだ後に復讐する- 』がnon-no先輩の香音さんが出ていらっしゃるので、その後のドラマに出れるのはすごくうれしいです。香音さんからは、それぞれ違ったお芝居の楽しさがあるよって教えていただきました。 ――もともとお芝居はやりたかったんですか。 小学4年生からモデルのお仕事をしていたので、モデルがすごく楽しくて、演技の方は考えていなかったんです。周りの方から「演技やった方がいいよ」と言ってもらえますが、なかなか手を伸ばせずにいて。でもコロナ禍で高校生の時に石川県から上京してきたタイミングで演技もしなきゃなっていう気持ちにはなったんです。それでもまだふわふわした状態で…。最初に出演させていただいたドラマ『先生さようなら』がきっかけに俳優としてもっと成長していきたいと思えるようになりました。 ――『先生さようなら』の現場はいかがでしたか。 みなさん温かくて。学校での撮影だったので、少し年上の方もいらっしゃったんですけど同年代で、本当に学校みたいな感じでした。悩みや学びもありましたし、休憩中などカメラが回っていないときも同級生みたいな感じで青春だったなって思いました。 ――右も左も分からない状況で大変だったと思います。 何から始めればいいのか分からない状態で飛び込んでしまったので、周りから得るものばかりでした。本当にいろんな方の支えがあって城嶋弥生というキャラクターが作り上げられたなと実感しています。 ――今振り返ってあの時役をつかめたなって思うことはありますか。 気持ち的にもつながっていたなというシーンがあって、それは監督もモニターを見ていて伝わったらしくて。シーンで言うと、弥生ちゃんが白石(健太)くん(演・中村嶺亜)に告白されて断るというシーン。その時に感情と行動が合っていたよって監督に言っていただいて。それは自分でも実感はあったので、そこで少し弥生ちゃんが分かってきたかもなっていうのはありました。 ――役をみんなで作り上げてきたというお話がありましたけど、自分の中ではどのように役と向き合ってきましたか。 「先生さようなら」では役と同じくらいの時期(年齢)でしたし、弥生ちゃんとしても自分と似ている部分があったので、林芽亜里というものを入れることなく自分の経験をプラスしていくという形でした。作ったっていうよりかは自分の生きてきたものを少しづつ詰め込んでみたっていう感じです。弥生ちゃんに似ているからこそ演じられたのかなと思います。 ――18歳ですよね?しっかりしていますね。台本読んでこうかなと思ってもいざ現場に立つと相手の出かたによって違ったりしますよね。 それもすごく悩みどころで。「先生さようなら」の時は事前練習をがっちりして自分の考えたことだけをやるっていう感じで現場に入っていたんですけど、それをすると相手の演技に合わせられなかったりして。やっぱり家で練習するのと現場とでは雰囲気も違ったので、それだとだめだなって思いましたし、プロデューサーさんからもそう言っていただいたので、がんじがらめになりすぎず柔軟にいったほうがいいんだっていうのを学んだので、今回活かせる部分があったらなと現場に入っていました。 ――怖いですよね。本番の前にリハーサルはありますもんね。そこで相手の演技を見てって感じですよね。 すごく難しいなと思ったのは、感情でセリフは言わなきゃいけないけど立ち位置をここにしてくださいとか目線は少しカメラよりに見て下さいなどの指示もいただくことが多かったので、それを頭に入れながら考えていないように自然に演じるというのがすごく大変でした。 ――それが後半になるにつれて自然とできてきたということですよね。 位置とかも計算してどうしたらその場に行きつくことができるかっていうのも他の演者さんを見たり、現場を重ねるにつれて学んでいきました。 ――スペースの距離感はファッションショーでもありますもんね。ランウェイを歩く時の距離感とか。 ランウェイを歩く時は下を向いたりきょろきょろしちゃうとかっこ悪いから、ちゃんと正面を見なきゃいけないんです。でもステージから落ちないようにしなきゃとか、みなさんそうだと思うんですけど、頭の中でいろいろなことが繰り広げられていると思います(笑)。ドラマもモデルのお仕事も共通してるなって思います。リハーサルでどれだけ掴めるかも大事だなって思います。 ■挑戦の“はじりこ” ――今回の『初めましてこんにちは、離婚してください』はすごいですよね、年齢設定にしても。 私にとって非現実的というか未経験のことしかないようなお話でした(笑) ――お話がきたときはどうでしたか。 決定の前にプロデューサーや監督に私の演技を見ていただきました。一部のシーンだけをやった感じですが、果たして18歳の私に26歳の役ができるのかと思いながら会場に行って。いざ決定しましたとおっしゃっていただいたときにその年齢への不安が出てきたんですけど、自分のできるなりに頑張ろうという思いで挑みました。莉央ちゃんも役的にも新しい感情を知っていくという役柄ではあったので、今まで経験したことのないことだったり感情を、ドラマの撮影通して知ることができました。 ――役へのアプローチはいろいろ考えられたんですもんね。 本当に未知の世界だったので、監督やプロデューサーに単純な質問やちょっとした質問をたくさんしました。演技をする上でメリハリをつけるのは大切にしました。 ――心情を分かる形で表現するのは大変ですね。 経験豊富な俳優さんだったら自分で分かるようなことも、私の未熟さで聞くようなことも多々ありました。監督さんに表情だったりセリフの間隔とかはたくさん質問しました。 ――監督と一緒に作っていったんですね。 本当にそうですね。これこそ自分だけではできなかったなって。本当に監督のすごさを知りました。私が台本を読んでセリフの裏にある気持ちを試行錯誤して持って行ったつもりではいたんですけど、それを上回る考えを毎回教えて下さって、なるほどなっていう瞬間がた多々ありました。 ――犬飼さんとはいかがでしたか。 リードしていただきました。カメラの位置や次のシーンとのつながりを自分のことだけではなく私のことまで考えて下さってすごく優しかったです。 ――イメージしたものを形にしていくという話をしてきましたが、今回はとてつもなく難しくて一気にステップアップした感じですね。 ラブコメ自体初めてでしたし、莉央ちゃんは喜怒哀楽も大きい子だったので、それをどううまく表現できるかということも『先生さようなら』ではなかった考えだったりセリフの裏側とかがどんどん出てきたので、すごくこのドラマに成長させられたなって思います。 ――この作品はどういうものになりましたか。 ドラマとしては3本目で、私でいいのかという気持ちもすごくあるんですけど、このドラマで成長できたかなという気持ちは少なくとも自分の中にあります。私にいろいろ新しい感情を教えてくれたので、この作品に出会えてよかったとすごく思います。 ――「ニコプチ」から知っている人からするとびっくりしますね。 みんなびっくりするかもしれないです。私を小さい頃から見て下さっている方だったり応援して下さっている方は驚きがあるんじゃないかなとは思います ――26歳の役ですし。 私も26!?ってなって大丈夫かなっていう思いはあったんですけど、頑張って26歳を模索しつつの撮影だったので、ぜひたくさんの方に観ていただきたいです。 ――監督もプロデューサーも林さんの内側にある大人っぽさというのを見たんでしょうね。 オーディションというか演技審査で顔見せに行ったときは演技はもちろんですけど、外見でもどう大人っぽく見せれるかを考えて、洋服だったりメイクをいつもより大人っぽくしたりして。でも莉央ちゃんは子供っぽいというか世間知らずな面もある子だったので、そういうところはうまくいけたのかなって(笑)。 ――さて、隠れ見どころを教えてください! 演技的にもいろいろ見てほしいところもあるんですけど、莉央ちゃんは料理好きで料理をするシーンが出てくるんですけど、事前にネギを切るシーンがありますと言われたので、練習しないと手が震えちゃうから買ってきて練習しようと思ったんです。私はネギ=(イコール)長ネギだと思って、長ネギを買って練習して現場に挑んだんですけど、いざキッチンに入ってみると小ネギだったんです。あ~そっちのネギか!って(笑)あとから見たらちょっとつながっているところがあったんですけど。それを楽しみにっていうか、こういう気持ちだったのかなと思いながら観ていただければと思います!(笑) ――これまで、お芝居への気持ちはあったけど、一歩踏み出すまでは行っていなくて、でも『先生さようなら』で経験して、今回は俳優としての覚悟を突きつけられた感じもありますね。 『先生さようなら』のときも最初はフワフワした気持ちだったんですけど、現場に入るとみなさんプロですごく真剣に取り組んでいるので、その撮影期間から自分の中でちゃんと一人として頑張らなきゃいけないっていう気持ちはあったんですけど、今回それがどんどん強くなってきたので。自分はこういう大きい声が出るんだとか発見もあったし、自分でも分からなかったことをドラマから教わるってプラスになるし、そこが楽しさなんじゃないかって今回見つけることができたので、楽しめるところをもっと増やしていって演技として成長できたらなって思います。 (おあり)