58キロ、芋煮400人分に使う

掘った芋の泥を「芋こぜ」で落とす児童たち＝飯高町富永の畑で

　三重県松阪市飯高町森の市立香肌小学校（新良忍校長、26人）の全校児童は15日午前9時から、飯高町富永の畑で「第24回大谷嘉兵衛翁まつり」（茶王大谷嘉兵衛の会主催）で振る舞われる芋煮用のサトイモ約58キロを収穫した。作業後は一部をゆでて秋の味を味わった。　 　児童による収穫作業は同会の呼び掛けで、茶王として知られる地域の偉人・大谷嘉兵衛（1845～1933年）や、嘉兵衛を顕彰する催しに関わることで小学校時代の思い出づくりになればと、2022（令和4）年から行っている。 　この日は児童と、同会（35人）の小林典子会長＝飯高町富永＝ら会員7人、教職員6人、保護者5人が参加。まず小林さんから嘉兵衛のことや、同会参与でサトイモを栽培する小林平八郎さん（80）＝同＝から「今年は猛暑で特に気を使ったが、大きく育ってくれてほっとした」などの話を聞いた後、児童たちはスコップや手で畑を掘って次々と収穫。大きな芋が顔を出すと「やったー」などと喜んでいた。 　その後、水を入れたたるに芋を入れて、板や棒でごろごろとかき回して、こすれ合う摩擦で泥を落とす道具「芋こぜ」が登場。児童たちは全身を使ってリズミカルにかき回して泥を落とした。 　引き続き、その場で小さな孫芋を皮付きのまま釜ゆでして「きぬかつぎ」にしてみそを付けて味わった。 　第14回大谷嘉兵衛翁まつりは20日午前9時から、飯高町七日市の市飯高総合開発センターで開催され、400人分の芋煮が振る舞われる予定。 6年生の大泉海渡君は「掘る時に一発で全部サトイモが取れて、とても気持ち良かった。きぬかつぎはおいし過ぎて『何これ！』と思いました」、2年生の平田朔太郎君は「サトイモ1本に、たくさんの芋ができるんだなあと驚きました。きぬかつぎは初めて知った食べ物でおいしかった」と話した。