Jリーグ再開の足を引っ張る安倍政権”失態”で遅れるPCR検査の壁
新型コロナウイルスを乗り越えた先に待つ公式戦の再開を迎える上で、サッカー界の力を結集させてもまったく対処しようがない、高く険しいハードルの存在がはっきりと輪郭をあらわしてきた。 Jリーグは11日午前に日本野球機構(NPB)と共同で設立した新型コロナウイルス対策連絡会議を、午後には全56クラブの代表者らで構成される合同実行委員会をともにオンライン形式で開催。2月下旬から中断している公式戦再開へ向けて、感染リスクを抑えるための施策を入念に話し合った。 隣国の韓国では8日にKリーグが69日遅れで開幕し、今週末にはドイツのブンデスリーガも再開される。新型コロナウイルス禍を克服しつつある各国の情報を収集するなかで、韓国およびドイツで選手やスタッフ、審判員ら全関係者に実施されているPCR検査を日本でも行う可能性について、実行委員会後にオンライン上で記者会見に応じたJリーグの村井満チェアマンは否定的な見解を示した。 「国民の健康を第一に考えることをすべてのプライオリティーの第1位に置いているので、国民のコンセンサスがない状況のなかで、私たちだけが検査体制を占有することは現実として考えていません」 7回目を迎えた新型コロナウイルス対策連絡会議には昨シーズン限りで引退し、今年度からJリーグの特任理事を務めている播戸竜二さんも出席。村井チェアマンによれば現役選手が抱く思いを代弁する形で、公式戦の再開には徹底した検査が欠かせないとする意見を伝えたという。 「自身の身体を資本としてプレーし、家族をも背負う立場から、しっかりと検査を済ませた選手たちで練習もしくは公式戦の再開へチャレンジすることを願っている意見が多いということでした」 ボディコンタクトが不可避である競技特性をもつ以上は、世界中のサッカー選手が抱く偽らざる本音と言っていい。感染のリスクがほぼゼロの状態で、全力でプレーしてほしいという思いから韓国やドイツだけでなく、練習を段階的に再開させているスペインでも全選手にPCR検査を実施している。