【闘病】「“関節リウマチ”はコップを持つのも厳しい」私がリアルな声を発信する理由
家族やパートナーの支えに日々感謝しながら生きている
編集部: 関節リウマチを発症してから、ふゆさんが生活で注意していること、意識していることは何でしょうか? ふゆさん: 私は発症してすぐに治療を開始したからか、最初は症状がほとんどなかったので体を労わる生活をしていませんでした。しかし、感染症や症状の悪化で日常生活が困難な経験をして、関節リウマチを意識したストレスのない環境での生活を送っています。 編集部: 現在の体調や生活の様子を教えてください。 ふゆさん: 利き手である右手の骨と骨の隙間がなくなってきて、片手ではコップを持ち上げるのも難しいなど、不自由なことが色々とあります。スマートフォンもすぐ落としてしまうため、首にストラップをかけて使っています。基本的な家事はできますが、洗濯や風呂掃除などの力を使う作業は現在パートナーが進んでやってくれるので助かっています。また、食器は落としても壊れないように木製にするなど工夫しています。パートナーのおかげで、不自由を感じながらも日常生活を送ることができています。 編集部: お仕事はどのような形態で働いているのですか? ふゆさん: 仕事はデスクワークで、在宅勤務を中心にさせてもらっているので助かっています。会社では荷物を持つ、電話を取るなどもつらい時がありますが、職場の方が理解し、協力してくれるので感謝しています。 編集部: ふゆさんにとって闘病生活での心の支えは何でしょうか? ふゆさん: パートナーとの老後を笑顔で過ごせるように、これから何十年先の健康を思って治療しています。家族やパートナーに支えられながら生きていることに日々感謝し、みんなにこれ以上心配や迷惑をかけないよう、寛解を目指しています。
関節リウマチ患者の本音や情報発信を行っていきたい
編集部: ふゆさんは関節リウマチに関する情報発信も行っているそうですね。 ふゆさん: 2022年3月からYouTubeで関節リウマチの症状や患者の抱く不安、患者だからこそわかる情報発信を行っています。YouTube上には関節リウマチの専門家が配信する動画はあるのですが、専門的で素人には難しいものでした。私が患者の立場として知りたいのは、関節リウマチ患者の本音やそこに至るまでの経緯、現在の状況など、もっと身近な情報でした。その情報が少ないと感じたのが、私が配信を始めたきっかけです。私のようなリアルな患者の声を関節リウマチ患者やそのご家族に届けたい、そして、関節リウマチを知らない人へもっと認知してもらいたいと思って活動をしています。 編集部: 今後はどのようなことに取り組みたいと考えていますか? ふゆさん: 現在、関節リウマチに関するYouTubeやブログの配信、ヘルプマークと一緒につける「ヘルプキーホルダー」、関節リウマチ患者が使えるLINEスタンプも作成・販売を行っています。今後はこうした活動の幅をもっと広げていきたいと思っています。例えば、リウマチ関係者の方と協力してWebセミナーを開催することを計画中です。最近はアロマが趣味で、アロマ検定取得のために勉強もしています。アロマには関節リウマチの症状を緩和するものも多いため、将来的には情報発信にも繋げられたらいいなと思います。 編集部: 関節リウマチという病気について知らない方、普段患者さんを意識せずに過ごしている方向けにメッセージをお願いできますか? ふゆさん: まずは関節リウマチのことを知ってもらえると嬉しいです。関節リウマチのことが分からずに、家族や職場の関節リウマチ患者に対し、怠けているように感じる人もいると思います。そういった環境でお互いにストレスを感じているという話も耳にします。私の握力は利き手でも6歳児の女の子と同等で、毎日身体のどこかが痛いのが常です。関節リウマチ患者の多くはそうした負担を抱えながら、日常生活を送っていると知ってもらえれば、お互いのストレスは減るのではないかと思います。 編集部: ふゆさんから医療従事者に期待することはありますか? ふゆさん: 関節リウマチ治療では高額な医療費が必要な薬が選択肢となることがあります。そうした時も安心して治療を受けられるように、医療費負担を軽減できる制度の情報を患者へ提供する機会が多くあればいいなと思います。そうすれば、適切な治療を諦めて治療が遅れてしまうといった事態も防ぐことができると感じます。全ての病院でサポートが整っていると救われる人はたくさんいると思います。 編集部: 読者の方向けに伝えたいメッセージもお願いします。 ふゆさん: 関節リウマチは治らない病気と言われていますが、近い未来に治る病気になると私は信じています。関節リウマチを発症したみなさんが、将来を悲観的に考えるのではなく、笑顔を絶やさず元気に過ごしていけることを祈っております。微力ではありますが、私にその手助けができることを願いながら、みなさんと一緒に明るい未来に向かって生きていきたいです。 編集部: 最後に、ふゆさんが関節リウマチの患者さんに伝えたい言葉があればお願いします。 ふゆさん: 私は経験上、ストレスは関節リウマチの敵だと思っています。心を常に元気にするために、ストレスは早めに排除することが大事だと思います。また、関節リウマチ患者であることを忘れず、心身を労わることも大事だと思います。私の失敗談・成功経験が少しでも皆さんの役に立って、前向きに生きるきっかけになれば幸いです。