mixi2話題沸騰--「ここ最近、特にひどくなったX」を代替する国産SNSになり得るか(石川温)
12月16日、突如、登場したSNS「mixi2」が盛り上がっている。 XやFacebookにはmixi2に参加できるリンクがあふれ「完全招待制」といいながらも、誰もが気軽に入会できる状態になっている。 【画像】mixi2の特徴 これまでも新しいSNSが登場する度、歓喜の声が上がり、一瞬だけネット民が殺到するということを繰り返してきた。特にThreadsやBlueskyが登場した際には、かなり注目を浴びたが、投稿数が少なく、またニュース性のあるポストも少ないことから、結局、Xに肉薄するような存在にはなり得なかった。 もちろん、まだ始まって1日しか経っていないmixi2も、熱狂ぶりは数日だけで、ThreadsやBlueskyのように期待外れに終わる可能性は充分に考えられる。 Xへの不満を払拭できるか ただ、個人的にはmixi2には、昨今、SNSに感じている不満を払拭するような存在になって欲しいと切に願っている。 実際、ここ最近、Xは特にひどくなったと感じている。 広告にはゲスな画像があふれ、電車のなかでXアプリを開くことさえ、躊躇したくなってくる。子供にスマホの画面を見せることもあるが、流石にXだけは子供の目に触れさせたくないと思うほどだ。イーロン・マスクとしては広告を表示させない有料プランを契約させたい魂胆にマンマとハマりそうになってしまう。 ただ、Xに対してはかなり嫌気を感じているが、知り合いの投稿だけでなく、あらゆるニュースがXに流れてきている。リアルタイムに世間で起こっていることを知れるだけに、どうしてもXから離れられなくなっている。 その点、mixi2に関しては、友人の投稿だけでなく、今後、メディアが公式アカウントを設け、ニュースも配信してくれると、Xに置き換わる存在になれそうな気がしている。 特にmixi2に期待したいのは「広告の管理」だ。現在は広告が表示されていないが、将来的にマネタイズするに当たって、広告モデルの導入は避けて通れないだろう。 その際、闇雲にゲスかったり、コンプレックス解消を狙った広告を流すのだけはなんとか避けてもらいたい。 mixi2は「18歳未満は利用不可」ということで、大人を意識した広告が大量に流れてくる可能性があるが、やはり「見ていて心地良いSNS」になってもらいたいだけに、広告のクオリティもしっかりと管理してほしいものだ。 これまでの「打倒X」なSNSと比べて、mixi2に期待しているもうひとつの点が「国産」であるといことだ。 投稿に対するリアクションには絵文字だけでなく、漢字やカタカナ、「アゲ」「ありがと」「よき」「わかりみ」などのセリフがあって、使い勝手がいい。このあたり、日本のユーザーが反応しやすい言葉が多くて、思い通りの感想を表現できるのが楽しい。 かつてのmixiにあった「足跡」もアクションボタンを長押しするだけでつけられる。かつてのmixiは足跡が付いてしまうことがプレッシャーにもなったが、mixi2ではつけたければつけるといった緩い感じになっている。mixiらしさを残しつつ、今っぽい実装になっているのは評価したい。 日本のユーザーが安心して使える国産SNSは貴重 MIXIによる「国産SNS」というのは、このタイミングでは結構、重要なことだと感じている。 アメリカではTikTokが法律によって排除されようとしている。 日本ではLINEがコミュニケーションツールとして圧倒的に普及しているが、サーバーが海外にあった点が問題視されて、自治体が活用する上で「安全性はどうなんだ」と懸念されてしまっている。 Xはグローバル展開されているため、インプレッション数で金が稼げるとわかると、海外から続々とインプレゾンビが登場し、目も当てられなくなってしまう。 その点、mixi2は是非とも日本国内のサーバーで運用してもらい、「日本国内にいるユーザーが安心して使えるSNS」を目指してもらいたい。 メディアや株主は、やたらと日本の企業に対して「世界を目指せ」とプレッシャーをかけてくるが、mixi2は日本市場でゆるく日本のユーザーのための「ガラパゴスSNS」であれば良いと思う。 FacebookやInstagramなど、自分を盛ってしまいがちなSNSに多くの人が疲弊している。普段の何気ない日常をつぶやきつつ、自分の興味のあること、仲間とつながりたい場所としてコミュニティがあり、自分らしくいられる場所として機能してくれるだけで良い。 SNSはビジネス的な成長を狙って、決済やEC、予約機能を盛り込み「スーパーアプリ」を目指して使い勝手が悪くなりがちだが、mixi2はなんとかシンプル路線を突き進んで欲しい。 いまのところは敷居が低く、誰でも簡単に入れる状態になっているようで、まずは大量にユーザーを獲得しておきたいということなのだろう。 ただ、将来的にはマイナンバーカードやSMSでしっかりと本人、年齢確認を行い、誰もが安全で、いざこざの少ないSNSを維持してもらいたいものだ。