桜花賞トライアルのフィリーズレビューは成長が見える人気薄馬、「1400m巧者」に激走の気配
前走は逃げて敗れたが、新馬戦も勝ったレースも差してきており、距離短縮で展開が速くなれば差す形になりやすい。新潟の未勝利戦では、重馬場とスタート直後の不利(他馬と接触)がありながら勝利しているなど、欠点が少ないのも魅力。デビュー当初はフラフラ走っている面も見られたが、前走はそういったこともなく、精神的にも成長が見られる。 血統を見てみよう。母ブギーダモーレは、芝1600mの伊GⅢドルメーロ賞勝ち馬という良血。さらに母の父レイルリンクは、昨年のGⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)を勝ったアスコリピチェーノの母の父、デインヒルダンサーと同じデインヒル系種牡馬だ。前述の2016年勝ち馬ソルヴェイグが持っていたヌレエフの血も持っている、このレース向きの血統馬だ。 鞍上の永島まなみ騎手は、先週のチューリップ賞を勝ったスウィープフィートの主戦だったが、同レースでは武豊騎手に乗り替わりという悔しい思いをしている。人気はあまり高くならなそうだが、血統のみならず、騎手面からも応援したい。 もう1頭、注目したい種牡馬はモーリスだ。これまで出走は4頭と少ないが、2021年に8番人気のシゲルピンクルビーが勝利し、昨年は7番人気のムーンプローブが2着に入った。 今年、モーリス産駒はバウンシーステップ(牝3歳、栗東・高橋亮厩舎)が出走予定。同馬は同じ距離で4戦2勝、2着1回、3着1回という"1400m巧者"。前走のつわぶき賞(中京・芝1400m)は2着に2馬身半差をつけ、2歳戦の中京・芝1400mでは歴代3位タイとなる1分20秒9の好タイムで圧勝している。母バウンシーチューンはGⅡフローラS(東京・芝2000m)勝ち馬という良血でもあり、期待できそうだ。 以上、今年のフィリーズレビューは、ダイワメジャー産駒ポエットリー、モーリス産駒バウンシーステップの2頭に期待する。
平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki