コストコの時給は最低「1500円」!? 各県の最低賃金と比べてどれだけ高いの? 周辺地域に与える影響についても解説
日本にはさまざまな外資系企業がありますが、そのうちの一つであるコストコの出した求人が話題となりました。その求人に記載されていたのが、「最低時給1500円」という待遇です。この時給額は、日本人の多くがイメージしている、あるいは実際に受け取っている時給よりも多いでしょう。 今回は、コストコの時給と各都道府県の最低賃金とを比較しながら、コストコの待遇が与える影響について考えます。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
コストコの時給は1500円から
コストコの公式Webサイトで、パートタイムやフルタイムの求人が確認可能です。それによると、アシスタントは時給1500円から、クラークは時給1550円からとなっています(2024年1月時点)。多くの人がこの時給額に驚いたため、テレビやネットなどさまざまな媒体で取り上げられました。 コストコの時給が高い理由は、人材不足が続く中で、優秀な人材を確保するためとみられます。本社を構えるアメリカで急激なインフレが起こっていることも、おそらく無関係ではありません。アメリカではインフレに伴って、労働者の時給も上昇しています。そうしたグローバルスタンダードに合わせるという観点から、日本のコストコでも一般的な水準よりも高い時給を設定している可能性が高いでしょう。
コストコの時給と各都道府県の最低賃金との比較
日本では、各地域の状況に鑑み、国が都道府県ごとに最低賃金を設定しています。コストコは2024年1月現在、全国に33店舗ありますが、まずは、それぞれの店舗のある都道府県の最低賃金をみてみましょう。 図表1
コストコ 倉庫店の検索より作成 いずれも、令和5年度の最低賃金です。全都道府県中1位と2位の東京や神奈川でも1100円台で、全国一律となっているコストコの最低時給よりも400円ほど低いことになります。 ・コストコの時給と差の大きい地域 ここでは、コストコの最低時給と最低賃金の差が最も大きい地域を、コストコの店舗の有無にかかわらずみてみましょう。 最も差が大きいのは、最低賃金が893円の岩手県です。コストコの最低時給との差は607円でした。つづいて差が大きいのは最低賃金が896円の徳島県と沖縄県です。コストコの最低時給との差は604円となっています。最低賃金が897円の秋田県・愛媛県・高知県・宮崎県・鹿児島県は603円差、最低賃金が898円の青森県・長崎県・熊本県は602円差、最低賃金が899円の大分県は601円差となっています。 ・コストコの時給と差の小さい地域 逆に、コストコの最低時給と最低賃金との差が小さい地域もみてみましょう。 最も差が小さいのは最低賃金が1113円の東京都で、コストコの最低時給との差は387円でした。つづいて差が小さいのは、最低賃金が1112円の神奈川県です。コストコの最低時給との差は388円となっています。最低賃金が1064円の大阪府との差は436円、最低賃金が1028円の埼玉県との差は472円です。最低賃金が1027円の愛知県との差は473円でした。